マルハンやダイナムなど中期決算を公開しているところもあるが、
今年に入って、多くのホールが減収減益を迎えている。
見目でもわかるとおり、どこのホールも客が減っている。
D社のSISデータにもあらわれているが、稼働の低下が止まらない。
だが、粗利の低下幅は、稼働低下よりも緩やかだ。
それは客の負担がいまだ増え続けていることを意味している。
入客が2~3割の店舗は、ほとんど低貸しにしか
客がついていなく、死亡寸前となっている。
ある程度負けると物理的にパチンコを打つ金がなくなる。
あたりまえのことだ。
多くのお客様から少しづつ抜くのが理想だが、
上級国民といわれる、少数の金持ち中毒者からたっぷり抜いている状態であり、
金のない層、すなわち庶民や学生が顧客からすっぽり抜け落ちている。
入客が減ると見た目のごまかしのためと
市場の競争から、ますます低貸しの島を拡大してしまう結果となる。
より売り上げも低下してじり貧となる。
今年は、なんだかんだいって、
MAX機とAT機の駆け込み入れ替えで、入客が減って収益が悪化している中でも
機械代が必要以上にたくさんかかった。
あたりまえだが、新台を入れたにもかかわらず稼働の回復はない。
特に都内は、等価廃止の影響もあってか、客がますます不利になり客飛びに拍車をかけた。
首都圏近隣県が及び腰になってしまっているのはいたしかたない。
今後愛知県でも等価廃止など等価をやめる流れは止まらない。
客が減っていく中で少しでも収益を増やさないと、やっていけない。
大阪では別途一物一価が徹底されるようだが、
これも客にとっては、低貸しの回転が減っていやなことだろう。
稼働が減って収益が悪化していくなら
本来なら前年かけこみでMAX機入れ替えたから
2016年は、機械代を削減して、やりくりしようと計画していたところも多いだろう。
ところが、この撤去騒動だ。
必要以上の機械代経費は、経営に負担がかかる。
2015年は、P200万台の全体購買であったようだが、
2016年は、普通なら、P150万台程度まで落ち込んでもおかしくなかった。
それが、P200万台以上の販売を維持できるわけだ。
メーカーにとってはなんという僥倖といったところだろう。
機械を作るには2~3年の開発期間がかかる。
不況を想定せずに開発費をたっぷりかけてすでに作ってしまった機械を
さばききるチャンスである。
この在庫がはけたら、2017年以降機械が
ほとんど売れなくなることを念頭において開発予算と、本数を減らしていけばいい。
ホールの稼働が低下して収益が悪化していく中で、
メーカーは1年、衰退の猶予を与えられた感じになる。
もちろんホール側は、このよけいにかかった機械代を精算するために
客からさらに抜かなければならない。
客飛びがもっともっと加速する。
2017年以降、メーカーもホールも経営がもっともっと厳しくなる。
我々も、もはや他人ごとではない。
業界の中の人の対策としては、
とりあえず、パチンコを打つのをやめて
金を貯めておくことだ。
いざというときに備えなければならない。
無駄遣いをするな。
5年後あなたの所属している企業が存在している自信と根拠はありますか?
楽観的な考えは、もはややめた方がいい。