【＠ｐ＠】未だにパチンコ屋が遠隔操作をしているのを信じているのが多すぎる。こういうやつらがメイン顧客だからしょうがないが

評価・感想

この記事の要点解説

１．崩れた信仰の残骸が眠る場所、それがいまのホールだった
　3月下旬。
　春の足音が日本列島に忍び寄る中、ガザの大地はなおも冬のように冷たく、乾いていた。空は曇り、陽光は瓦礫の街にまで届かず、風はあらゆるものの隙間を縫うように吹き抜け、砂塵を巻き上げる。そこに佇む男の姿があった。

　パチンコ太郎。
　その名を聞けば、かつての業界関係者ならば誰しも背筋に戦慄を覚えるだろう。だが、いま彼は、パチンコに背を向けた男として、忘れ去られた国の片隅で、沈黙の中に身を置いていた。

　黒いスーツはもはや原形をとどめず、袖は擦り切れ、背中には土の跡が染みついている。白いワイシャツはいつの間にか赤茶け、ネクタイは何度も結び直された形跡があった。足元は、かつて東京でメーカー幹部に詰め寄った革靴ではなく、古びた軍用ブーツ。

　額には滲む汗。

　その汗は、ただの体温調節ではなく、瓦礫の中で見つけた小さな命に向けた必死の祈りの結晶だった。

　「太郎、この子…高熱よ」
　スロット花子が、袖をまくり上げた腕で震える子どもを抱きかかえ、太郎に声をかけた。その冷たい声にも、どこか焦りの色が滲んでいた。

　太郎は無言で頷き、瓦礫の上にしゃがみ込む。手にしたのは、使い古された体温計と、ボロ布で巻かれた水筒だった。

子どもに水を飲ませ、額に布を当て、彼はその小さな体をそっと抱きしめた。
　「もう大丈夫だ、怖くない。俺がついてる」
　その声は低く穏やかで、しかしどこまでも力強かった。

　ガザの地で、彼は誰よりも信頼されていた。
　イスラエルの兵士も、パレスチナの住民も、敵も味方も、パチンコ太郎の前では敬意を示した。彼は、分断された世界において、唯一中立にして絶対的な存在だった。

　上空を見上げると、イスラエルの戦闘機が唸りを上げて飛び去っていく。その尾に残る白い線は、まるで空に刻まれた古傷のようで、見る者の胸を締めつけた。

　そして、その轟音が遠ざかると、静寂が戻った。だが、静けさは安らぎではなく、不気味な幕間だった。どこかでまた爆音が響けば、誰かが命を落とす。その可能性が、この街には常に横たわっていた。

　焚き火のそばに戻り、子どもたちを順番に寝かしつけた太郎は、ふと懐からスマートフォンを取り出した。埃をぬぐい、画面を点ける。小さな光が、乾いた夜の闇にぽつりと灯る。

　「久しぶりに、日本のパチンコニュースでも見るか…」
　それはただの気まぐれだった。だがその刹那、彼の中に眠っていた何かが再び疼き始めるとは、このとき彼自身も知らなかった。

２．「遠隔信者」という名の亡者が集う遊技空間の真実

　暗闇の中、スマートフォンの青白い光が太郎の顔を照らす。パチンコファンたちが綴った“意見”が、次々に画面を流れていく。

　「昔は確実にあった」
　「パンチラで出るってマジだからな」
　「モーニングあったろ、あれは遠隔だったよ」
　「今もピンポイントで客を排除してるって噂あるよ」

　まるで、信仰告白のようなその羅列。太郎は指を止めた。
　かつて、彼も知っていた。遠隔というものが確かに存在した時代を。しかし、今やそれは過去の亡霊でしかない。法規制が整い、摘発が相次ぎ、ホールが遠隔など行えば、企業ごと沈没する。それを太郎は誰よりも理解していた。

　だが、人々は信じ続けている。なぜか。
　負ける理由が、己にあると認めたくないからだ。

　「俺だけが狙われている」「俺だけが特別だ」
　その自己中心的な妄想が、ホールという空間を“陰謀の殿堂”へと変貌させている。

　「信じたくもなるさ…負け続けて、何も残らなくなった者たちは」
　そう呟くと、太郎はそっと目を細めた。

　勝てば自分の実力。負ければ遠隔のせい。そんな都合のいい話が、この国のホールではいまだにまかり通っている。

　そして、その信仰は、プレイヤーだけではなく、ホール側すら飲み込んでいた。

　「勝たせすぎると店が潰れる」「出しすぎると不正を疑われる」
　そんな言い訳が、現場からの“現実”としてまかり通る。

　太郎はスマホを閉じ、焚き火の炎をじっと見つめた。
　燃えさしの木が、ぱちりと音を立ててはぜる。その音が、あまりにリアルだった。虚構の世界から現実へと戻るきっかけのように。

　「遠隔を信じる者たちが、ホールの柱を支えている。
　ならば、そのホールに未来などあるはずがない」

　子どもたちの寝息が聞こえる。安らぎと静けさに包まれた焚き火のそばで、太郎はひとつ、深いため息を吐いた。

　「“日本を、取り戻す”――あの言葉は、結局のところ、誰のためのものだったのか」
　その瞬間、彼の瞳には、総理としての記憶の断片がよぎった。命令された破壊者としての自分。しかし、もう破壊はしなくていい。崩れ去ったものは、崩れ去ったままで構わない。

　「パチンコなど、もはやどうでもいい」
　風が吹いた。火が揺れた。夜が、また深くなった。

　そして彼は、焚き火の火が消えぬよう、静かに薪を一本くべた。
　それはまるで、誰かの命をそっと守るような手つきだった。

以下、本文を参照してください。

読者の反応

識者による解説

ゴト師グループが仕込むゴトロムは現在もたまに発覚するが、これは店側が抜かれている被害者。遠隔と裏物は店側が自分の意志で仕込むもの。ゴトは別。

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