評価・感想
この記事の要点解説
1.花粉が舞う季節、男の運命は狂い始めた
3月中旬。早春の匂いが街に広がるはずの空気には、妙な重たさがあった。花粉が舞い、人々は目を細め、鼻をすすりながら行き交う。青空のはずが霞み、くすんだ黄色いベールが街を覆っている。春は、希望と共に訪れるものだと誰かが言った。だが、この男にとっては違った。彼にとっての春は、絶望の扉が音もなく開く季節だった。
兵庫県警の独身寮。そこは規則正しく並ぶ同じ造りの部屋が、整然と並ぶ場所だった。外見は整い、厳格な秩序があるかのように見える。しかし、その一歩内側に入れば、それぞれの孤独と欲望が渦巻いていた。
その夜、男は寮の廊下を静かに歩いた。巡査長。26歳。若くして警備部に配属された彼は、それなりの誇りを持っていたはずだった。だが、今の彼にあるのは焦燥だけだった。ポケットの中に残るわずかな小銭を握りしめる。1円玉と5円玉が冷たく、指先に吸い付く。これでは足りない。まるで喉の奥に小石が詰まっているような、そんな息苦しさが彼を支配していた。
パチンコを打つときの興奮を思い出す。あの光、あの音。台が派手に光れば光るほど、脳は熱くなり、心臓は高鳴る。だが、そんな昂ぶりも、手持ちの金が尽きればすぐに冷める。そして残るのは、財布の軽さと、耐え難い自己嫌悪だけだった。
巡査長は廊下の奥の部屋の前で立ち止まった。薄暗い電灯の下、息を殺して鍵穴を見つめる。ドアの向こうには、彼の同僚の生活があった。巡査長は部屋の鍵を持っていなかったが、それは問題ではなかった。
彼は、ドアノブを押した。ゆっくりと回る感触。――開いた。
中に足を踏み入れた瞬間、彼は無音の世界に包まれた。足音を殺しながら、まるで獲物を狙う獣のように、慎重に歩を進める。目当てのものは決まっていた。机の上の財布。革の表面がわずかに擦れ、使い込まれた質感を見せていた。
彼は震える指でそれを開いた。折りたたまれた紙幣が目に飛び込む。二枚の一万円札。その裏に隠れるように、千円札が数枚。「足りる」彼は喉を鳴らした。胸の奥に広がる高揚感。指先が札をつかんだ瞬間、それは彼のものになったかのように感じた。
だが、その時だった。
カメラのレンズが、暗闇の中で微かに光を放っていた。
それは、部屋の隅に設置されていた小さなペット見守りカメラだった。主のいない部屋をじっと見つめ、静かに記録し続けていた。その無機質な瞳が、彼のすべてを見ていた。
彼はその存在に気づかないまま、財布を元の位置に戻すことすらせず、部屋を後にした。扉が静かに閉じる音が、妙に大きく響いた。
翌日。警察署の休憩室。
一人の巡査がスマートフォンを手にしていた。眉間にしわを寄せ、その表情には戸惑いと怒りが混ざっている。
「おい…これ、どう思う?」
その画面には、昨夜の映像が映し出されていた。ひとりの男が他人の部屋に忍び込み、財布に手を伸ばす姿。それが誰なのかは、誰の目にも明らかだった。
「これ、巡査長じゃねえか?」
「嘘だろ…」
「やっぱりな…最近、金に困ってる様子だった」
どよめきが広がる。信じられない。だが、映像は嘘をつかない。
昼過ぎ、巡査長は署長室に呼ばれた。重たい扉を開けると、そこには厳しい表情の上司たちが待っていた。そして、机の上にはスマートフォン。映像が一時停止されたままの画面が、巡査長の顔を映し出していた。
「言い訳はあるか?」
巡査長は口を開いた。何か言葉を絞り出そうとするが、喉が乾ききっていた。
「…つい出来心で」
その言葉が、空気の中に沈んでいく。彼がこの場所に戻ってくることは、もうない。
パチンコ太郎は、そんなニュースを見ながら冷めた目をしていた。片手にはコーヒー。苦い味が、口の中に広がる。「哀れなものだ」彼は、静かに呟いた。
2.ファンの声が語る、警察という名の仮面
ネットは、すぐに炎上した。
「最近、兵庫はおかしいわ。公務員、議員の遵法意識が無い」
「違法賭博してる警察官がいるぞー!」
「警官が泥棒とか、もう終わってるだろ」
まるで切れ味鋭いナイフのように、言葉が飛び交う。
「停職3カ月?ぬるすぎる処分だな」
「一般人なら即逮捕だろ。なぜ警官は特別扱いなんだ?」
「美しい国日本(笑)」
次々と投稿される怒りと皮肉の言葉。パチンコ太郎は、それをただ無言で眺めていた。
「兵庫の日常だろ。何を今さら」
「あーあ、また警察の信頼がなくなったな」
スマホをスワイプする指が止まる。一つのコメントが、彼の目に留まった。
「パチンコと警察は仲良しだもの」
パチンコ太郎は、鼻で笑った。小さく、しかし深い意味を持つ一言。まさに、それこそが本質だった。
彼はかつて見た光景を思い出した。ホールの入口に立つ警察官。監視カメラに映る警察関係者の出入り。表向きは規制と取り締まり。しかし、その裏では――。
「取り締まるフリをしながら、裏ではしっかり繋がっている」
自らの思考を確認するように、彼は呟いた。ネットでは、さらなる声が渦巻いている。
「警察官の再就職先ってどこになるんだろうな」
「関西人が警官とか正気じゃないよね」
「パチンコ屋の駐車場で警備員でもやるんじゃない?」
嘲笑と皮肉の雨。
だが、パチンコ太郎は知っている。この騒ぎも、やがて風化する。明日には、また別の事件が話題になり、人々は新しい標的を見つける。それがこの国の姿だ。
彼は深く息を吐き、最後の投稿を眺めた。
「結局、何も変わらない」
まるでその言葉が、彼の心を代弁しているかのようだった。
パチンコ太郎は、静かにスマホを閉じた。そして、冷えたコーヒーを最後に一口飲み干した。春の風が、薄く開けた窓から流れ込む。ほのかに暖かいはずの空気は、彼の肌を冷たく撫でた。
「くだらん…」
つぶやきながら、彼は椅子を揺らした。まるで退屈なショーの幕が下りるのを待つ観客のように、彼の瞳は、どこか遠くを見つめていた。
以下、本文を参照してください。
読者の反応
【兵庫県警】パチンコ仲間の同僚から現金盗んだ疑い 26歳男性巡査長に停職3ヵ月の懲戒処分 ”ペットカメラ”に録画されていた
職場の同僚の部屋から現金を盗んだとして、兵庫県警の26歳の警察官が停職3カ月の懲戒処分を受けました。「パチンコやタバコで小遣いが減った時」に、犯行に及んだということです。
14日付で停職3カ月の懲戒処分を受け住居侵入と窃盗の容疑で書類送検されたのは、兵庫県警本部の警備部に所属する26歳の男性巡査長です。既に依願退職しているということです。
巡査長は去年4月の中旬ごろから12月1日までの間に、警備部の同僚男性3人から現金計7万数千円を盗み取った疑いが持たれています。被害者3人はいずれも巡査長の同僚で、勤務先の警察施設の敷地内にある独身寮の個室暮らしでした。
そのうち1人が室内から金がなくなっているように感じ「ペット見守り用のカメラ」を設置したところ、12月1日の正午ごろに巡査長が侵入し、財布から現金2万円を抜き取る様子が録画されていました。
巡査長は容疑を認めていて、「パチンコやタバコで小遣いが減った時」に、犯行に及んだと話しているということです。
ABCニュース
引用元
公務員、議員の遵法意識が無い
パトレイバーがある
公安、外事課とか機動隊、航空隊、特殊車輌課とか
普段の職務からして
交通違反していない車両の運転手に
違反した現認したと嘘をいって恐喝検挙をしている連中だからな
ドロボーッ
警察署の部署平面図には警備部の部屋は書いてあるがどの机に誰がいるか氏名は記載されてない
同じ職場泥でも
同僚のロッカーから、用具を盗んでメルカリとかで売ってたプロ野球選手なんかは、名前も出るし、逮捕されてるのになあ
贈答品を私的に受け取っても問題にならないように俺が法だって土地柄
再発防止に努めるという言葉が遺憾砲くらい軽い言葉に思える
はっきり言って一般人より犯罪率は高い
例えばNTTって警察より人数多いけど、逮捕者なんて滅多に出ない
ちなみに警官の逮捕者は去年だと約60人(>>47でも書いたが、警官は優遇されてるので本当なら逮捕者100人を超えると思う)
え?何故?
とばっちりじゃなく被害者じゃね
3ヶ月懲戒?
家族間じゃないんだから立派な窃盗だろ
両津勘吉級
警察法で定められた正式な職位ではない名誉職
ちなみに両津勘吉も巡査長
大原部長は巡査部長で巡査長の一つ上でしかないんだよな
ポンコツな元親父は定年時に巡査部長止まりで、同期や後輩は警部補やら警部やらに
ギャンブルは楽しみの範囲でする娯楽だから
まぁ、仕方ない面もあるんだよ
介護で事件が起きるのと同じ構図
どんなにクズだとしても、それなりの高給(警視庁だと40歳の高卒巡査でも年収800万円以上)貰ってるからな
甘やかすわけにはいかんのよ。薄給で頑張ってる福祉職とは違うのだ
警官が通報を受け、一般人の住居に行った時に、どさくさ紛れにその家の現金を盗む
…
みたいな犯行も年に数回は明るみに出てるよね
一般人の金だけでなく仲間うちでもやってんだな、とw
他に時々報道されるのが、拾得物として届けられた金をネコババみたいなやつ
退職したら無罪?
一般人は法で裁かれ懲役などの処分なのに?
よく分からない
ほぼ依願退職してますだよな
だよなあ
コンビニでSサイズ注文してLサイズボタン押したら、逮捕されんのになあ…一般人は。
警察の人は何度も空き巣まがいのことして依願退職で終わりって…
識者による解説
公務員、とくに警察、自衛隊等はパチンコ禁止でいいのでは?もっと拡大して公務員は公営競技含めた賭博全面禁止で良い。
警察官見ればわかるが、そもそもまともな人間が警察官をやっていない。安定した仕事だからとかそれしかなかったとか、程度の低い理由でやっているだけ。めんどうだから犯罪も放置。

警察官って、お散歩と、サイクリングがメイン業務。毎日なにもなく普通に定時に家に帰るのが目標。Googleマップで警察の各拠点を見ると警察官に対する罵詈雑言が軒並み書かれていて評価が★1。
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