【破綻】エブリデーボッタクリ。土日だろうが平日だろうがパチンコ行ったらケツの毛まで抜かれるから

評価・感想

この記事の要点解説

１．変わり果てた東上野、静かに消える面影
　3月中旬、東上野の夜空は曇り、冷たい風が吹き抜けている。パチンコ太郎は、肩をすくめながら街を歩いていた。通りには外国人観光客の姿がちらほらと見え、キャリーケースを引いた集団が足早に去っていく。この街は元からビジネス街のため、物産店や小さな店舗がぽつぽつと点在している程度だ。街の賑わいはどこか表面的で、張り詰めた静けさが漂っている。

　かつてはメーカーや販社、ブローカー、備部品業者、ホール関係者たちが行き交い、忙しなく新台や部品の取引が行われていた。だが、今では経営が成り立たなくなった零細業者は次々と撤退し、ビルには空きが目立つ。窓に貼られた「テナント募集」の張り紙が風に揺れ、その姿はまるで打ち捨てられた廃墟のようだ。

　「もうこの街も終わりだな…」
　パチンコ太郎は、低く呟いた。路地に建てられたインバウンド目当ての旅館は盛況で、エントランスには観光客たちがひっきりなしに出入りしている。軒先には荷物を運ぶスタッフの姿が見え、外国語が飛び交っていた。かつての業者たちの代わりに、スーツケースを抱えた旅行者たちが行き交い、街の様相はすっかり変わり果てている。

　大手メーカーのほとんどはとっくに本社機能の移転を済ませ、残されたショールームは予約制で細々と営業している。ショールームの看板はかろうじて光っているが、その光はどこか冷たく、無機質だ。街の再開発で立ち並んだビルも、どれもこれも同じようなガラス張りの無機質な外観ばかり。

　パチンコ太郎は、不忍池へと足を向けた。池のほとりはライトアップされ、観光客たちが写真を撮り合い、カモに餌を投げている。水面には光が揺れ、楽しげな声が夜風に乗って響いていた。だが、その光景はどこか薄っぺらく感じられた。

　「こんなものに負けるわけにはいかない！」
　かつての主の言葉が胸に蘇る。だが、その言葉も今となっては空々しい。パチンコ業界はすでに衰退し、街の風景は変わり果てている。パチンコ太郎は、冷えた手をポケットに突っ込み、再び歩き始めた。

２．観光客の笑顔とファンの嘆きが交差する東京国立博物館
　上野公園は外国人観光客で溢れ、どこもかしこも楽しそうな笑顔に包まれている。パチンコ太郎は、人の流れに身を任せるように歩を進め、東京国立博物館の前にたどり着いた。入口には長蛇の列ができており、色とりどりの服を着た観光客たちが静かに並んでいる。警備員が声を張り上げて誘導し、館内から漏れ出す照明の光がガラス越しに揺れていた。

　「なんだこの行列は…」
　パチンコ太郎は、ため息まじりに呟いた。待つのが嫌いな性分だが、仕方なく最後尾に並ぶ。前にいる家族連れは楽しそうにパンフレットを広げ、子供たちは目を輝かせている。その光景は、どこか眩しく見えた。

　暇つぶしにスマホを取り出し、「土日のパチンコ、避けるべき？」というネットの記事を読み始めた。画面に流れるのは、パチンコに対するファンたちの絶望的な意見だ。

　「平日に設定を入れてても、行けるのは老人かニートだけ」
　「土日に行けばケツの毛まで抜かれる。釘はガチ締め、設定はベタピン。もう無理だ」
　「ホールの稼働マジックに騙されるな。あれは客を釣るための見せ台だ」
　「新台？どうせ抱き合わせのクソ台だろ。もう誰も期待してない」

　次々と流れる悲観的な言葉に、パチンコ太郎は眉をひそめた。どの言葉も真実を突いている。ホールは釘を締め、設定を絞り、客の財布から金を抜くことしか考えていない。結局、パチンコは終わりゆく産業に過ぎないのか。

　「土日も平日も関係ない。パチンコそのものが終わってるんだよ」
　誰にともなく呟く。だが、その声は行列に紛れて消えた。観光客たちの笑い声や会話が絶え間なく続き、虚しさだけが残る。

　ようやく順番が回り、館内に足を踏み入れると、そこには展示物の光が溢れていた。高い天井と大理石の床、ガラスケースに収められた古代の遺物。観光客たちは目を輝かせ、熱心に見入っている。その姿を見て、パチンコ太郎はふと考える。

　「パチンコなんか打つよりも、こうして芸術を鑑賞している方がよほど健全だな…」
　自嘲気味に呟く。展示物の前で足を止める人々は、誰もが満ち足りた表情で、そこには欲望に翻弄されるホールの客たちのような焦りはない。

　「さあ、楽しもうか」
　そう言ってみても、胸の内に広がるのは空虚感だけだ。結局、見えるものすべてが張りぼてでしかない。パチンコ太郎はひとり、展示物を見つめた。その背後で、行列に並ぶ人々の笑い声が絶え間なく響いている。だが、その音はどこか遠く、冷たい現実だけが静かに横たわっていた。

以下、本文を参照してください。

読者の反応

識者による解説

遠隔がーホルコン出玉制御がーって言ってるのがまだ多いからね。そういう人たちを養分にして成り立っている。一度頭にインプットされると上書きされないのだろうか。

学生の頃は、平日に打ちに行って、土日は一般客に台を譲る。平日も20時から21時にはきりのいいところで遊技をやめて新台や良釘台をサラリーマン等に譲るというのが店と学生との暗黙のルールだった。今思うと、すごい好条件でボーダーをはるかに超える台を毎日打たせてもらっていたものだ。店からすると持ち玉積み上げてひたすら長時間粘る学生はサクラ代わりだったのか。

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