【悪循環】つぶれゆくパチンコ屋。経費が高騰している昨今。店側から還元されるわけがない。

評価・感想

この記事の要点解説

前回までのあらすじ：囚われたパチンコ太郎

パチンコ太郎は何者かに襲われ、薄暗いバーのような場所で目を覚ます。手足は針金で縛られ、冷たい床に横たわる彼を見下ろすのは、黒いスーツを着たFの社員たち。

Fの社員たちは冷笑しながら、太郎を見物するかのように立ち並んでいる。彼らは悪趣味なショーを楽しむかのごとく嘲笑を漏らし、パチンコ太郎の無様な姿に満足げだ。冷たいライトに照らされた天井の染みが、不気味に揺れて見える。

「…」
太郎は掠れた声でなにか呟くが、Fの社員たちはその言葉すらも冷笑で返す。鉄のように冷たい床の感触が、唯一の現実だ。

やがて、意識が薄れゆく中でパチンコ太郎はゆっくりと目を閉じた。闇が迫り来る中で、冷たい笑みだけを浮かべながら。

１．Fの総帥の思惑と揺れる信念
　冷たい床の感触が、パチンコ太郎の意識をかろうじて繋ぎ止めていた。手足は針金で無慈悲に縛られ、動かすたびに皮膚に食い込み痛みが走る。視界の端には黒いスーツに身を包んだFの社員たちが立ち並び、悪趣味なショーを楽しむかのように嘲笑を漏らしている。その笑い声は、まるで葬送曲のように低く冷たい。

　「見世物のつもりか…くだらん」かすれた声で吐き捨てたパチンコ太郎に、社員たちは一層嘲笑を深めた。天井のライトが冷たく照らす染みは、不気味に揺らめいて見えた。鉄のように冷たい床が唯一の現実だ。頭の芯がじんじんと痛む中、かすかに漂う酒の匂いが鼻を突いた。薄暗いバーのようなこの場所は、逃げ場などどこにもない。

　「お疲れ様です！」
　突然、Fの社員たちが戦前のドイツのような敬礼を揃って行う。薄闇の中から歩み出たのは白髪混じりの老人だった。柔和な顔立ちとは裏腹に、その目は長い年月を生きた者だけが持つ、底冷えするような光を宿していた。Fの総帥だ。その隣には、上級執行役員を名乗る小太りの男が、汗を滲ませて立っている。メガネの奥で怯えた目を泳がせるその姿は、見ていて滑稽ですらあった。

「誰の仕業だ、こんな真似をしたのは。貴様か？……いいから拘束を解け」老人は冷えた声で言い放ち、上級執行役員は顔面蒼白になりながら震える手で針金に手を伸ばした。

　パチンコ太郎の声はかすれていたが、その目はまだ死んでいない。総帥はため息をつくと、意外なほどに優しい手つきでパチンコ太郎を抱きかかえた。「すまなかった、部下がやりすぎたようだ。ただ、お前と話したかっただけなのだ」その声は妙に温かかった。

　「なぜお前たちは、クソ台を売りつけるのだ！」
　パチンコ太郎は、声を絞り出して叫んだ。総帥は口角を上げ、「面白いパチンコばかりになれば、日本人は働かなくなる。だから、適度なクソ台が必要だ」と冷たく言い放つ。その論理は狂気じみていたが、どこか説得力を帯びていた。

　「お前は、パチンコ業界を破壊する目的で作られた。我々は、パチンコ業界をそれほど発展させようとは思わない。それが日本のためなのだ」総帥の言葉は、鋼鉄の刃のように冷たく鋭い。パチンコ太郎は、反論しようと口を開くが、言葉が続かない。確かに、それは同じ方向を向いているように聞こえたのだ。だが、それが何か根本的に間違っている気がしてならない。

　天井の染みがじっとりと広がり、ライトの冷たい光がそれを照らしている。パチンコ太郎は、虚空を見つめながらゆっくりと目を閉じた。頭の中には、針のように鋭い疑念が刺さったままだった。

２．ファンの意見と絶望の未来
　「これを見ろ」Fの総帥はスマホを差し出した。画面には、パチンコ業界の衰退を伝えるニュースが無機質に映し出されている。売り上げは30兆円から11兆円へ、店舗数は減少の一途。総帥はスマホを上級執行役員に渡し、「読め」と短く命じた。

　「パチンコ離れ深刻。去年より800店減少。総売上は11兆円に減少」と、上級執行役員は機械のように読み上げる。その声は冷たく、まるで死刑宣告を聞いているかのようだ。続いてファンの意見が次々と読み上げられる。

　「昔は楽しめたけど、今はクソ台ばかりだ。もう行く価値がない」「娯楽は他にいくらでもある。わざわざパチンコに金を使うバカがいるか？」「時代遅れの産業だ。さっさと消えればいい」冷酷な言葉が次々に突き刺さる。パチンコ太郎は眉をひそめた。だが、心の奥底でその意見に納得している自分もいた。

　「パチンコは、もはや日本国民に望まれていない。ほどほどで良いのだ」総帥の言葉は、冷たい水のようにじわりと広がる。パチンコ太郎は、反論しようとするが、言葉は出てこない。納得させられたような気分に襲われ、なんだかどうでもよくなってくる。自分は何のために戦っているのか、その意味すら見失いかけていた。

　だが、そのとき胸の奥で小さな火が燃え上がった。「だが、俺はパチンコ業界のすべてを潰すまで諦めない」かすれた声で宣言するパチンコ太郎。その目は、虚無と絶望の中でなおも燃え続ける狂気のような光を宿していた。

　総帥は興味深げに目を細め、「それは楽しみだ。応援しているぞ。」と微笑んだ。その笑みは、どこか寂しげであり、同時に冷徹だった。

薄暗い部屋を後にし、パチンコ太郎は闇の中に消えていく。その背中は、今にも折れそうなほどに冷たく、孤独だった。彼の決意は本物なのか、それともただの虚勢なのか。誰も答えを知らないまま、闇が深く広がっていく。

　結局、あの老人は何のために俺を呼んだのか。パチンコ太郎は歩きながら思った。あの妙に温かい言葉の裏に潜む本当の目的が見えない。敵意は感じなかった。それだけは確かだ。だが、それがかえって不気味だった。裏切りも憎悪もない代わりに、ただ静かに計算され尽くした冷たい瞳。あの目に映る自分の姿は、まるで見世物小屋の中の道化のように滑稽だった。

　天井の染みは変わらずそこにあった。その冷たい光景が、パチンコ太郎の胸に冷たい鉛のように沈み込む。闇はさらに深く、冷たく、無慈悲に広がり続ける。

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読者の反応

識者による解説

想定していたより残っている。

今後は、あと10年もすればだいぶ鬼籍に足を突っ込むし、新規顧客はいない。既存客も金のかかるスロ・パチに嫌気が加速。そこにカジノオープン。大阪大繁盛。関東にも開店計画からのパチンコ換金法整備問題勃発の流れを予測。20年後になると、3000店くらいになっているといいね。

この手のスレは、かつて打っていたものがまだ打っているものをけなす流れの書き込みで毎回中身は同じ。

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