『映画名探偵プリキュア!』公開10日で興収9億円突破

『映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密』の好調な興行成績を巡り、作品を見ている人たちからさまざまな意見が出ている。9月18日に全国公開された同作は、公開10日間で累計観客動員74万人、興行収入9億円を突破した。

公開初日から3日間では35万7612人を動員し、興収4億4558万4150円を記録。2023年の『映画プリキュアオールスターズF』が持っていたオープニング成績を上回り、シリーズ歴代最高のスタートとなった。さらに10月2日からは新たな入場者特典の配布も始まっており、今後どこまで数字を伸ばすのかにも関心が集まっている。

こうした状況に対しては、単に映画がヒットしていることだけでなく、女児向け作品として長年続いてきたシリーズの強さや、近年の作品内容そのものを評価する意見が目立った。

「女児向けでこの数字は凄い」客層の広がりに注目

興行成績については「女児向けでそんな記録を出すのは凄い」という意見が出た。子ども向け作品は大人向けの話題作と比べて観客層が限定されやすいだけに、シリーズ歴代最高のスタートを記録したことを高く評価する見方である。

また、近年は大人のファンを意識した商品展開も増えているとして、従来の中心層だけではなく幅広い世代が作品を支えているのではないかという意見もあった。劇場版では現在放送中の『名探偵プリキュア!』だけでなく、『キミとアイドルプリキュア♪』『わんだふるぷりきゅあ!』のキャラクターも登場しており、複数世代のファンが楽しめる構成になっている。

一方で、女児向け作品の市場規模には限界があるため、単純に他の大型シリーズと年間売上を比較するべきではないという意見も出ている。映画の数字だけでシリーズ全体の人気を判断するのではなく、玩具やイベント、映像商品などを含めて見る必要があるという考え方だ。

それでも公開序盤で過去最高水準の数字を記録した事実については、現在のシリーズに新しいファンを呼び込む力があることを示していると受け止める人が多い。

「ストーリーがきちんとしている」作品内容を評価する意見

数字以上に興味深いのが、近年のプリキュアについて「子ども向けだから単純というわけではない」と評価する意見である。「テーマがしっかりしていて、それに沿って物語を作っている」「劇中できちんと主張が描かれている」と、シリーズの物語作りを評価する声があった。

『名探偵プリキュア!』は「自分で見て、感じて、考えて、本当の答えを出す」というテーマを掲げている。劇場版でも街で発生する「バツ印事件」を追う中で、あんなたちが妖精レインから依頼を受け、不思議な庭に隠された秘密へ迫っていく。

女の子たちが変身して戦う作品という印象から見始めた人が、実際には人物の成長や人間関係、各話のテーマが丁寧に作られていることに驚いたという意見もあった。近年の作品からシリーズへ入った人が過去作へさかのぼって見る例もあり、新作が長期シリーズへの入口として機能していることがうかがえる。

新規ファンを巡って「これからも残るのか」と議論

新しい視聴者が増えていることについては意見が分かれた。最近の作品をきっかけに見始めた人が、そのまま今後のシリーズも見るようになると期待する意見がある一方、「その作品が終われば離れる人も多いのではないか」という慎重な見方もある。

これに対しては「新しく入ってきたファンを最初から当てにならないと決める必要はない」という反論も出た。20年以上続くシリーズだからこそ、最初に触れた作品が違うファンが次々に加わってきたという考え方である。

実際、現在の作品から興味を持ち、直前のシリーズを見始めたという人もいる。毎年キャラクターや世界観を切り替えながら同じシリーズを続ける方式は、新しい視聴者が途中から参加しやすいという強みもある。

長年見続けている人と新しく入った人で作品に求めるものが違うため、ストーリー重視、キャラクター重視、子ども向けとしての分かりやすさなど、評価軸が分かれるのも現在の反応の特徴となっている。

1年間放送する作品の希少さを評価する声も

テレビシリーズそのものについては、「オリジナル作品を1年間続けて放送する形式が今では貴重」という意見もあった。現在のテレビアニメでは1クールや2クールで完結する作品が多い中、プリキュアは基本的に約1年間を使って登場人物の関係や成長を描いていく。

長期間の放送には、途中で物語の評価が上下したり、キャラクターの扱いを巡って意見が分かれたりする難しさもある。しかし、一年間付き合うことで人物への思い入れが強くなり、それが劇場版への関心にもつながるという見方がある。

今回もキャラクターの扱いや物語の方向性について厳しい意見は存在するものの、それと同時に「王道をきちんとやっている」「子ども向けとしてテーマを伝えている」と作品の基本部分を支持する意見が出ている。

歴代最高スタートの先、どこまで伸びるか

『映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密』は、公開10日間で興収9億円を突破し、序盤ではシリーズ歴代最高のペースを記録した。これまでシリーズ最高興収は『映画プリキュアオールスターズF』の15億4000万円であり、今回の作品が最終的にどこまで迫るのかが今後の注目点となる。

今回確認できた意見では、興行成績そのものへの驚きだけでなく、「女児向け作品としての市場の強さ」「物語やテーマの作り込み」「新規ファンの定着」「一年間放送を続けるシリーズの価値」といった複数の論点へ話が広がっていた。

20年以上続くシリーズで過去最高のスタートを更新したことは、新しい作品が今も新規層を呼び込めることを示す結果でもある。公開はまだ続いており、歴代最高記録へどこまで近づくのか、今後の推移にも注目が集まりそうだ。