土曜競馬で見えた日曜の重要ポイント

日曜の東京と京都を考えるうえで、土曜の実戦から最も重視したいのは両競馬場の芝で出た傾向の違いである。東京芝は6競走すべてがスローペース判定となり、3着以内18頭のうち先行馬が10頭、逃げ馬が3頭を占めた。差しも4頭入っているため前だけと決めつけるべきではないが、少なくとも後方一気を当然のように期待する馬場ではなかった。

東京芝1800メートルの八ヶ岳特別もスローとなり、逃げたファムクラジューズが1着。差し馬も2、3着へ届いたが、前で運べること自体が明確な減点材料にはなっていない。日曜の毎日王冠でも、内から好位を確保できる馬、あるいは自ら位置を取りに行ける馬を軽視しにくい。

一方の京都芝は、6競走で逃げ3、先行7、差し7、追込1と東京より均衡していた。2000メートルではハイペースから差し馬が上位へ来る場面があり、1200メートルのオパールステークスでも差し、先行、追込が1頭ずつ3着以内へ入った。京都大賞典では単純な前残り決め打ちより、2400メートルを最後まで伸び続けられる持続力と位置取りの両方を見るべきである。

金曜夜の先行評価から大枠は変えない。毎日王冠はリアライズシリウス、京都大賞典はダノンシーマを引き続き中心とする。ただし土曜の馬場を踏まえ、東京では先行力の価値を引き上げ、京都では極端な脚質バイアスを想定しない形へ微調整する。

毎日王冠 リアライズシリウスを本命据え置き

◎2リアライズシリウス、○6ライヒスアドラー、▲4サトノシャイニング、☆1セイウンハーデス、△14レイニング、16アドマイヤクワッズ、危13ホウオウビスケッツとする。

結論は金曜版からリアライズシリウス本命を維持する。前日段階の単勝は2.9倍で1番人気。共同通信杯1着、皐月賞2着という実績に加え、今回の2番枠は土曜東京の傾向を考えればむしろ追い風と判断した。

リアライズシリウスは共同通信杯で前へ付けて勝ち、皐月賞でも2番手から2着。日本ダービーでも逃げる形で7着ながら勝ち馬との差は0秒4だった。1800メートルへの距離短縮なら、2400メートルほど終盤の持久力を要求されない。土曜の東京芝でスローが続き、先行馬が優勢だったことを考えると、自分で位置を取れる能力は金曜時点より高く評価できる。

対抗はライヒスアドラー。皐月賞3着、日本ダービー8着を経て、8月の佐渡ステークスを勝ってここへ来た。前走は新潟芝1800メートルで後方寄りから伸びており、単純な先行馬ではない。前が止まらない展開になっても中団付近を確保できれば、能力で上位へ食い込める。4.7倍の2番人気ならリアライズシリウスとの差は大きくない。

金曜版ではレイニングを単穴に置いたが、今回はサトノシャイニングを▲へ引き上げる。昨年の毎日王冠で3着があり、東京芝1800メートルへの適性は確認済み。中京記念3着からの臨戦で、4番枠なら前を見ながら運びやすい。土曜の東京芝を見た後では、外から差すレイニングより位置を取りやすいサトノシャイニングを一段上に置くのが妥当である。

☆は1番セイウンハーデス。安田記念では3番手から勝ち馬と同タイムの4着。大阪杯も0秒4差であり、近走の着順以上に強い相手と戦っている。1番枠から無理なく先行できれば、11.1倍の5番人気は魅力がある。東京芝で前の位置を取った馬が残った土曜の結果とも噛み合う。

レイニングはむらさき賞で東京芝1800メートルを勝っており、能力的には当然圏内。ただし前日9.6倍の4番人気まで支持されており、金曜時点より妙味は薄くなった。アドマイヤクワッズはNHKマイルC3着があり、1800メートルなら守備範囲。先行できる点も評価して相手に残す。

危険人気馬はホウオウビスケッツとする。18.7倍で7番人気なので極端な人気馬ではないが、札幌記念10着、金鯱賞12着と近2走は逃げて失速している。東京1800メートルで自分の形へ持ち込めれば反発しても不思議ではないものの、今回はリアライズシリウスなど前へ行ける馬が複数いる。土曜が前有利だったからこそ逃げ馬を無条件で買うのではなく、前で競り合う危険まで考えたい。

京都大賞典 ダノンシーマの安定感を最上位に取る

◎18ダノンシーマ、○6アクアヴァーナル、▲3ディープモンスター、☆2ヴェルテンベルク、△1ウエストナウ、4ヘデントール、8ミクニインスパイア、危15メイショウブレゲとする。

こちらも金曜版の本命ダノンシーマを維持する。前日単勝4.3倍で1番人気。新潟記念3着、目黒記念3着、阪神大賞典3着と異なる距離、条件で大崩れしていないことが最大の強みである。18番枠は楽ではないが、京都芝は土曜に差しも先行も届いており、外枠だけで大きく評価を落とす必要はない。

特に目黒記念では2500メートルで勝ち馬とタイム差なしの3着。2400メートルへ戻る今回も距離への不安は小さい。新潟記念では稍重の2000メートルを4番手付近から運び、こちらも勝ち馬とタイム差なし。前でも中団でも競馬ができる柔軟性は18頭立てで大きな武器になる。

○アクアヴァーナルは6.3倍の2番人気。阪神大賞典2着、天皇賞・春4着と長距離で安定しており、京都への適性も高い。先行一辺倒ではなく、天皇賞・春では中団から差を詰めている。京都の土曜芝が極端な前残りではなかったことも、この馬には悪くない。

▲ディープモンスターは6.6倍の3番人気。海外を含む近走内容の比較が難しい面はあるが、2400メートル級で結果を残している。内の3番枠から無駄なく運べる点は18頭立てでは大きい。人気上位3頭は能力差よりもレース運びで着順が入れ替わる組み合わせと見る。

金曜版の穴キングスコールから、今回は2番ヴェルテンベルクを☆へ変更する。天皇賞・春では15番手付近から追い込み、勝ち馬とタイム差なしの2着。前走の海外戦は大敗しているが、国内の長距離戦で見せた末脚は無視できない。前日14.3倍の7番人気なら、京都で差しが届いている土曜の傾向を考えても狙う価値がある。

ウエストナウは東京2400メートルのメトロポリタンステークスを勝っており、2400メートルへの適性を評価。ヘデントールは天皇賞・春を勝った実績があり、能力だけなら上位だが、近走との比較で今回は相手までとする。ミクニインスパイアも日経賞2着があり、距離延長で軽視できない。

危は金曜版から変えずメイショウブレゲ。近3走が障害戦で、平地重賞へ戻っていきなり上位争いを期待するには不確定要素が多い。前日39.3倍の13番人気で人気馬ではないものの、今回の18頭では評価を下げる対象として明確にしておく。

金曜夜から変えた馬、変えなかった馬

最も大きな変更は毎日王冠のサトノシャイニングである。金曜時点では△だったが、土曜の東京芝で先行馬が非常に安定していたため▲へ引き上げた。昨年の同レース3着というコース実績もあり、4番枠から前目を取れるなら条件が揃う。

一方、リアライズシリウスは◎のまま。金曜時点では共同通信杯と皐月賞を主な根拠にしていたが、土曜の馬場傾向がさらに後押しする形になった。ライヒスアドラーも○を維持する。

京都大賞典ではダノンシーマ、アクアヴァーナル、ディープモンスターの上位3頭を変えない。京都芝は前だけ、差しだけという一方向の馬場ではなく、各馬の能力と距離適性を素直に評価できる状態と判断したためである。

変更したのは穴評価で、キングスコールからヴェルテンベルクへ切り替えた。キングスコールは逃げ候補として展開利を期待できるが、京都では差しも十分に届いている。天皇賞・春2着の末脚を持ちながら14倍台のヴェルテンベルクの方に、現時点では価格と能力の釣り合いを感じる。

日曜は「土曜と同じ馬場」と決めつけない

土曜結果は重要だが、日曜も完全に同じ馬場になるとは限らない。東京では土曜芝6競走がすべてスローだったため、先行馬の好走数が多かったことには展開要因も含まれる。毎日王冠で前半から競り合いが激しくなれば、同じ結果にはならない。

毎日王冠はリアライズシリウスとホウオウビスケッツが前へ行けるうえ、セイウンハーデス、サトノシャイニング、ライヒスアドラーなど好位を取れる馬も多い。リアライズシリウスは逃げなければならない馬ではないため、内枠から好位へ収まる形が理想である。無理にハナを争えば本命評価の前提そのものが変わる。

京都大賞典もミステリーウェイやキングスコールが前へ行く可能性があり、長距離型が揃った18頭立てである。極端な瞬発力勝負より、早めに動いて長く脚を使う展開になる可能性を考えたい。ダノンシーマはその両方へ対応できる点を評価している。

現時点の最終軸は、毎日王冠がリアライズシリウス、京都大賞典がダノンシーマである。土曜の結果を受けても本命を動かす必要はない。ただし毎日王冠ではサトノシャイニングとセイウンハーデスを引き上げ、京都大賞典ではヴェルテンベルクを穴候補として新たに強く見る。日曜朝は馬場状態とオッズを確認し、この序列をもう一度更新する。