119ver.になっても評価を変えられなかった

サミーの「e甲鉄城のカバネリ2 輪廻の果報119ver.」は、約1/119という軽い初当りを入口にした仕様で登場した。しかし導入から約4週間が経過した現在、評価の中心にあるのは「当たりやすくなった」という歓迎ではない。右打ちへ進む入口の狭さ、演出バランス、そして軽い初当りと荒い勝負設計の噛み合わなさである。

実際の評価はかなり厳しい。利用者評価では平均1.8点という低水準にとどまり、演出、おすすめ度、安定度の各項目も2点を下回る。個々の意見を見ると、初当りを取りやすい点や無名フラッシュを好む人、少ない投資からまとまった獲得につながった人もいる。一方で、支持材料を上回る勢いで「25%の入口が厳しい」「初当りが軽くても結局つらい」「演出バランスが悪い」という不満が並んでいる。

重要なのは、単純に負けた人が低評価を付けているだけではないことだ。前の319タイプを好んでいた人からも、軽い確率帯へ変更するなら遊びやすさまで作り直してほしかったという不満が出ている。初当りだけを軽くしながら、その先には強い選別を残したことで、119という数字から受ける印象と実際の遊技体験に大きな差が生まれた。

導入4週目で残った論点は明快である。軽く当たること自体は長所だが、その長所が「また打ちたい」に結びついていないのである。

初当りが軽いことと遊びやすいことは同じではない

本機を理解するうえで最も重要なのが、初当りの軽さと右打ちへの入口を別々に考えることである。約1/119という数字だけを見れば、319タイプより当たりを体験しやすい。実際にも「よく当たる」「無名フラッシュをたくさん聞ける」といった肯定的な意見がある。

ところが評価を大きく下げているのが、そこから先へ進める割合である。実際の意見では25%という数字への不満が繰り返され、「6回当たって一度も入らなかった」「初当りは取れるが25%が厳しい」といった体験が語られている。

確率は短期間なら大きく偏るため、個人の連続失敗をそのまま公表値の否定材料にはできない。しかし遊技体験として考えれば、当たりを何度か取ったのに一度も本命区間へ進めなかった人が強い徒労感を覚えるのは当然である。

ここに本機の設計上の難しさがある。319タイプなら初当りそのものが重いため、打ち手もある程度の投資と待ち時間を覚悟する。119タイプでは逆に「今日は軽く遊べそうだ」という期待を持ちやすい。ところが実際には、初当りを複数回取っても入口の25%を突破できなければ投資が積み上がる。

つまり本機は、当たりを遠ざけることで厳しさを作るのではなく、当たりを見せながら次の扉を開けないことで厳しさを感じさせる。ここが単なる初当り確率以上に評価へ影響している。

肯定側には、約1/119なら深追いせず短い勝負を繰り返せるという見方もある。50~60回程度で区切って撤退するという遊び方なら、319タイプとは違う使い方もできる。しかし実際には回転状況への不満も重なっており、「軽いから何度も挑戦できる」という長所がホール環境で十分に生きていない。

前作を好きだった人ほど「なぜ荒さを残したのか」と感じている

本機への不満で特徴的なのは、作品や前作そのものを嫌っている人だけが批判しているわけではない点である。むしろ319タイプの液晶、爽快感、右打ちの演出を評価していた人から、119タイプへの失望が出ている。

ある意見では、前の319タイプを非常に好きだったとしたうえで、初当りを軽くしたのなら右打ち側まで遊びやすくするべきだったと指摘されている。1500個級の払い出しへこだわるより、1回あたりを抑えて入口や継続を広げた方が119タイプらしかったのではないか、という考え方である。

この指摘は本機の評価を考えるうえで重要だ。打ち手が119タイプへ期待するものと、メーカーが残したかった魅力が一致していない可能性があるからである。

メーカー側から見れば、初当りを軽くしながら一撃時の魅力を残せば、遊びやすさと大きな獲得の両方を狙える。しかし打ち手側では、初当りが軽くなったなら勝負全体も穏やかになることを期待しやすい。その状態で25%という狭い入口を提示されると、「結局いつもの荒い機械ではないか」という評価になりやすい。

実際に「遊びやすさと程よい獲得を狙ったのだろうが中途半端」という意見や、「初当りを軽くした意味を考えてほしい」という不満が出ている。単純に性能が弱いという批判ではない。119という確率帯に何を求めるかという設計思想そのものが問われている。

ここは前作との差別化にも影響した。前作の魅力をそのまま小型化しただけなら、前作を好んでいた層には受け入れられるはずだった。しかし実際には「荒さを残すなら319でよい」という意見が生まれた。軽量版としての存在理由を十分に示せなかったのである。

無名フラッシュには支持がある、それでも演出全体は救えなかった

厳しい評価の中でも、明確に支持されている要素はある。代表的なのが無名フラッシュである。「個人的に先バレ系で一番好き」「たくさん聞けるのは良い」といった評価があり、初当りが軽くなったことで好きな告知を体験する機会が増えた点を長所とする人もいる。

実際に少額から右打ちへ進み、まとまった獲得につながった人からは高い評価も付いている。右打ち中も何も予告がなく当たる場面を好意的に捉える人がおり、すべての打ち手が演出を否定しているわけではない。

それでも全体の演出評価は低い。強そうな流れから外れることへの不満、期待度の見せ方への不信、左打ち中の退屈さ、右打ち中の虚無感など、複数の方向から不満が出ている。

特に原作や前作への好意がある人ほど、「好きな題材なのに打ち続けるのが苦しい」という状態になっている。無名フラッシュという一点には明確なファンがいるのに、それを聞くために座り続ける理由を機種全体が支えられていない。

これは演出単体の出来より、失敗した時の印象と結びついていると考えた方がよい。告知が発生し、強そうな展開になり、それでも外れる。その後に当たりを取っても25%を突破できない。この二段階の落差が続けば、個々の演出が悪くなくても全体として疲れる。

逆に短時間で入口を突破し、右打ちが伸びた人には印象が大きく変わる。少額から6000個級を獲得した体験や、20回を超えて続いた体験も確認できる。本機には成功した時の爽快感がないのではない。成功側へ入れなかった時の体験が、成功時の魅力より強く記憶されやすいのである。

ホール側は導入前から長期稼働を疑っていた

プレイヤー側の低評価だけを見ると、導入後に初めて問題が発覚したように見える。しかしホール関係者の導入前評価を見ると、警戒はかなり早い段階から存在していた。

導入判断では「見送り」と「バラエティ」が中心で、まとまった台数を強く推す評価は確認できない。試打した関係者からも、25%タイプへの飽き、まとまった獲得までの道のりの遠さ、長く動くイメージが湧かないといった見方が出ていた。

特に象徴的なのが、機械そのものの魅力より他機種との販売上の関係を意識した導入判断である。積極的に主力として置きたいというより、付き合いの範囲で少数導入するという温度感が強かった。

もちろん、約1/119という軽さを理由に一撃を狙う利用者はいるだろうという評価もあった。販売台数が少なければ、少数設置で一定の需要を拾う可能性もある。しかし同じ評価の中で「長く動くイメージはない」とされており、導入前から長期稼働への期待は弱かった。

導入後の評価を見ると、この懸念を覆す材料はまだ弱い。低い利用者評価に加え、回転状況への不満や「もう打たない」という意見が目立つ。導入前に想定された「軽い確率を生かして短時間で一撃を狙う層」は存在するが、それが幅広い再遊技へ広がったとは言いにくい。

ここで重要なのは、ホール側とプレイヤー側が別々の理由で同じ結論へ近づいていることである。ホール側は長期稼働と商品力を疑い、プレイヤー側は25%の入口と演出体験を嫌う。理由は違っても「長く付き合う機種にはなりにくい」という方向が重なっている。

軽さを武器にするなら、もっと捨てる必要があった

本機の評価が伸びなかった最大の理由は、約1/119という軽さが他の設計思想を変えるところまで徹底されなかったことにある。

初当りを軽くする。その代わり、右打ちへ進む割合を25%まで絞る。突破後にはまとまった払い出しを狙える。理屈としては成立している。だが実際の打ち手が感じる順番は「当たった」「また通常だった」「もう一度当てた」「また入らなかった」となる。

この繰り返しでは、初当りの軽さが救済ではなく再挑戦回数を増やす装置として感じられる場合がある。しかも実際のホールで回りにくければ、約1/119という数字から想像するほど安く何度も挑戦できるわけではない。

もし119タイプとして遊びやすさを前面へ出すなら、一撃時の払い出しをある程度譲ってでも入口や継続側へ配分する方法が考えられた。実際の意見でも、1000個程度へ抑えて入口や継続を広げてほしかったという提案が出ている。

反対に、一撃性を残すことを最優先するなら、それはそれで明確な個性になる。ただ、その場合には「119だから遊びやすい」という期待とは距離が生まれる。本機はこの二つの中間を狙い、結果として双方から中途半端と見られた。

成功体験だけを抜き出せば魅力はある。初当りが軽く、少ない投資で入口を突破し、そのまま続けば大きな獲得も可能である。だからこそ完全に魅力のない機種ではない。しかし導入4週後の評価では、その成功体験を求めて再び座りたいという意見より、25%を何度も外す苦しさを避けたいという意見の方が強い。

導入4週で見るべきなのは「当たるか」ではなく「また座るか」

新台の初週は一撃の成功例が目立ちやすい。導入から数週間が経過すると、本当に重要になるのは勝った人がいたかではなく、打った人がもう一度座るかである。

本機には無名フラッシュを好む固定層がいる。前作や原作を好きな人もいる。約1/119の初当りを評価する人もいる。そして実際に大きく伸ばした成功例もある。このため、一切支持されていない機種と評価するのは正確ではない。

しかし現在の多数派は厳しい。利用者評価は低水準で、25%の入口、演出バランス、回転状況、右打ちへ進めなかった時の徒労感が繰り返し問題視されている。ホール側も導入前から少数設置や見送りを中心に考えており、長期稼働への強い期待を示していなかった。

軽い初当りは本来、再挑戦しやすさにつながる武器である。ところが本機では、その先の25%が強く意識されることで「また当てればいい」より「また25%を取らなければならない」が先に立っている。

導入4週目で評価が固まり始めた現在、本機の弱点は数字上の初当り確率ではない。約1/119という看板を、遊びやすさという実感へ変換できなかったことである。

本日の鑑定

クソ台確定|入口は軽やか、門番だけが帝国を築いたクソ台
評価点 31点

無名フラッシュや初当りの軽さ、突破後の爽快感を支持する意見はある。しかし25%の入口と演出バランスへの不満が多数派で、利用者評価も低く、ホール関係者の導入判断も慎重だった。約1/119という最大の長所が再挑戦のしやすさへ十分つながっておらず、導入4週時点ではクソ台確定とする。