タイで「信じられない体験」を巡る話題

タイで10月3日、これまでに経験した信じがたい出来事や超自然的な体験を尋ねる話題が広がった。内容は幽霊や精霊の目撃談から、長年続いた体調不良が突然消えたという体験、占いへの驚きまで幅広い。最初から超自然的なものを否定する意見もあり、同じ出来事でも受け止め方には大きな差が出ていた。

「何もない」「ほとんどは自分でそう思い込んでいるだけ」とする懐疑的な意見がある一方、自分や家族が実際に経験した出来事を細かく説明する人もいた。特に具体的だったのは、長年続いたアレルギー症状、ホテルの鏡で見たという男性、巨大なガジュマルの木で父親だけが見たという女性の姿である。

「超自然なんてない」そもそもの定義を疑う意見

まず出たのが、「何も経験したことはない」という非常に簡潔な意見だった。別の人も「ほとんどは自分で考えすぎている」とし、奇妙な出来事が起きても、それだけで超自然的な現象と判断することには否定的だった。

さらに独特だったのが「超自然的なものなど何もない。すべて自然だ」という意見である。この人は、人が空を飛ぶことや通常では説明しにくい能力まで例に挙げ、それらが仮に存在するなら、それも自然界で起きている以上は自然の一部だという考えを示した。超常現象を信じるか否かではなく、「存在するものなら自然現象ではないのか」という定義そのものを変える立場だった。

短く「すごく当たる占い師」と答えた人もいた。詳しい経緯は語られていないものの、予想以上に正確だった占いを、自分にとって説明しにくい経験として挙げている。また「涅槃は本当に存在する」という宗教的な考えを示す意見もあり、怪談だけではなく信仰や精神世界まで話題が広がっていた。

20年以上続いたアレルギーが突然消えたという体験

最も詳しく語られていた体験の一つが、20年以上アレルギー症状に悩んでいたという人の話だった。「20年以上薬を使っていた」というこの人は、前年の年末前にタイ北部のドイ・インタノンを訪れたという。山頂付近は非常に涼しく霧が濃く、二つの仏塔へ向かう途中で、それまで経験したことがないほど新鮮に感じる空気を深く吸ったと振り返っている。

本人によると、それまでは睡眠不足、冷気、ほこり、排気ガスなどで鼻づまりやくしゃみが起き、薬をやめても一、二日程度しか耐えられなかったという。旅行にも薬を持参し、環境が変われば症状が悪化すると考えていた。ところが帰宅後も症状が出なかったため薬をやめ、その状態が約一年続いていると説明した。

本人も原因については断定しておらず、「今でも毎日、なぜなのか答えを探している」という。山の空気によるものなのか、それとも現地の神聖な存在によるものなのか分からないとしながら、心の中では後者への信仰もあると語っている。医学的な因果関係を示すものではなく、本人が現在も理由を説明できない個人的な経験として紹介されていた。

ホテルの鏡に「男性がいた」という体験

さらに強烈だったのが、深夜に立ち寄ったホテルでの体験である。仕事帰りで午前2時ごろになり、眠気のため自宅へ戻る途中で安い部屋を借りたという人は、「一度で十分。もう二度と近づかない」と振り返った。

洗面所で顔を洗い、顔を上げた瞬間、鏡の中に男性の姿が見えたという。「黒っぽい肌で、赤系のチェック柄の長袖」という具体的な姿まで記憶しており、うつむいた男性の身体がひどく傷んでいるように見えたと説明した。驚いて部屋を出たものの、恐怖より腹立たしさの方が強く、受付へ行って「なぜ幽霊のいる部屋に入れたんだ」と抗議したという。

すると受付の男性は謝罪し、その部屋は長期間閉めていたが、ほかに空室がなかったという趣旨の説明をして宿泊代を返したという。さらに外へ出る際、背後から「もう十年になるのに、まだ行かないのか」という趣旨の言葉が聞こえたとも振り返っている。本人にとっては、鏡に見えたもの以上に、受付でのやり取りまで含めて忘れられない出来事になっていた。

大きな木で父親だけが見た「タイ衣装の女性」

家族と一緒にいたにもかかわらず、一人だけ違うものを見たという体験もあった。地方で父親、弟、自分の三人がバイクに乗り、大きなガジュマルの木のそばを通った際の出来事だという。

「話すだけでも鳥肌が立つ」と前置きした人によると、父親は大木の高い場所に「タイの伝統衣装を着た女性」が座っているのを見たと話した。しかし本人には何も見えなかったという。同じ場所を同時に通っているのに父親だけが見たという点が、この人にとって説明しにくい記憶として残っていた。

タイでは大木や古木を特別な存在と結び付ける民間信仰が知られているが、この体験では、それが本当に何だったのかについて結論は示されていない。「父は見たが、自分は見ていない」という違いをそのまま語っている点が特徴的だった。

真剣な体験談に交じって冗談も

すべてが恐怖体験や信仰の話だったわけではない。超自然的な出来事を尋ねられ、「会ったこともない上司に最初から嫌われていた」と冗談めかして答える意見もあった。別の人は政治への不満を「いつもひどい政府になるのが一番不自然だ」と皮肉に変えている。

また、薬物検査を受けた際、直前に薬物を使用していたにもかかわらず結果が陰性だったとして、それを「あり得ない出来事」と挙げる人もいた。真偽や原因は確認できない個人的な話だが、幽霊や精霊だけを超自然体験とするのではなく、自分の予想と現実が大きく食い違った出来事まで含めて語る人がいたことになる。

多かったのは説明できない個人的な経験

全体では、超自然的な現象を全面的に肯定する意見一色ではなく、「何もない」「考えすぎ」という懐疑的な意見も明確にあった。その一方で、20年以上続いたアレルギー症状が旅行後に消えたという体験、ホテルの鏡で見たという男性、大木で父親だけが目撃したという女性など、本人にとって説明のつかない出来事が具体的に語られていた。

次に目立ったのは、超自然という言葉そのものをどう考えるかという違いだった。「存在するならそれも自然」という意見もあれば、占いや宗教的な存在を実在すると考える意見もあった。少数には政治や職場を題材にした冗談もあり、恐怖体験だけでなく、信仰、身体の変化、偶然、皮肉までが「信じられない経験」として挙げられていた。