大量獲得より「そこまで何も起きない」が記憶に残った

藤商事の「e魔女と野獣 FKZ」は、導入から約4週間が経過し、初打ちの珍しさより継続して触った人の評価が前面へ出る時期に入った。最大の特徴は、大きな獲得を狙える二種類の上乗せループである。うまく噛み合えば一度の契機から大量獲得へ伸びるため、その破壊力を高く評価する意見は現在も存在する。

ところが、評価が定着するにつれて目立っているのは最大獲得への称賛より、通常時の退屈さである。「何百回転もほとんど何も起きない」「先読みを待っているだけになる」「シンプルにすると本当に画面を見る理由がなくなる」といった意見が重なり、当たった後の強さより当たるまでの時間が機種の印象を決めている。

本機はBIGスタートを採用し、通常時を速く消化しながら重い当たりを狙う方向へ振った設計である。つまり静かな通常時は偶然生まれた欠点ではなく、速い消化と表裏一体の特徴でもある。しかし、速く進むことと退屈しないことは同じではない。導入4週目の評価を見ると、その違いがはっきり表面化している。

約1/399を待つ時間に演出まで削られる

通常時の図柄揃いは約1/399、チャージを含めた大当たり確率は約1/349とされる。図柄揃いなどから復讐RUSHへ入る割合は約51%。右打ちでは実質約1/95を75回転で狙い、継続率は約55%となる。

入口だけ見ても軽い機種ではない。図柄揃いを待ち、そこから約半分のRUSH突入を取る必要がある。その代わり、ヘソへ入りやすいBIGスタートによって通常時の消化量を確保し、重い確率を追いやすくする思想である。

問題は、その消化中に何を見せるかだ。実際に打った人からは、数百回転にわたって強い演出どころかリーチ自体が少なかったという体験が複数出ている。シンプル系の演出を選んだ場合には、余計な煽りが減ることを好む意見がある一方、「淡々と変動するだけ」「変動終了のタイミングまで分かりにくい」「先読みが来るまで画面を見なくなる」という不満も目立つ。

静かな通常時を好む人にとっては、これは必ずしも欠点ではない。弱い煽りを延々と見せられるより、当たりに近い変動だけを強く見せてほしいという需要は確実にある。実際、「余計な演出が少ない方が好み」「当たるか外れるかが分かりやすい」という肯定意見もある。

それでも多数派の評価が厳しいのは、約1/399という重さとの組み合わせである。短い待ち時間なら静かさは快適さになる。しかし数百回転単位で何も起きない体験になると、快適さより虚無感が勝りやすい。BIGスタートで数字だけは進むのに、体験としての変化が乏しい。この落差が通常時への不満を強くしている。

右打ちは弱いのではなく「極端に振った」設計

本機の右打ちは、一般的な高継続型とは方向が違う。復讐RUSHは75回転で、継続率は約55%。現在の高継続機に慣れた人から見れば、この数字だけでかなり低く感じられる。

その代わり、初回RUSH中に大当たりすれば必ず「運命分岐」へ進む。ここでは3000個以上が保証され、成功すれば6000個または9000個から上乗せループへ入る。BEAST ATTACKは3000個を約65%で上乗せし、超BEAST ATTACKは6000個を約30%で上乗せする設計である。

この仕組みが成功した時の評価は強い。実際に9000個や15000個級の獲得を経験した人からは、「一度刺さった時の破壊力はすごい」「上乗せが始まった瞬間は面白い」「一発勝負としてなら魅力がある」という意見が出ている。大量獲得部分だけを見れば、本機が何を狙って作られたのかは非常に分かりやすい。

反対に、復讐RUSHへ入っても約55%を取れず終了すれば、その強い部分へ触れられない。通常時に長い時間を使い、約51%を突破し、そこから最初の右打ちで終わる。この体験が重なると、「大量獲得できる可能性」より「そこへ届かなかった時間」の方が強く記憶へ残る。

導入後にはRUSHを複数回経験しても右打ち中の大当たりを取れなかったという不満も出ている。ただし、個々の短期結果だけから公表確率が誤っていると判断することはできない。約55%なら連続して失敗することも当然ある。問題は確率の真偽ではなく、その失敗を受け止めるまでに通常時でどれだけ時間と投資を使ったかである。

爆発力を評価する人まで「怖くて次は打ちにくい」となる

この機種で特に厳しいのは、勝った人や大量獲得した人からも再遊技への慎重な意見が出ていることである。

3000個の上乗せが続いた、15000個まで伸びた、短時間で大きく取り戻したという成功体験は確認できる。それでも同じ人が「吸い込みが速い」「次に同じことができる気がしない」「一度は面白かったが頻繁には触れない」と評価している例がある。

これは単純な負けた人の不満とは違う。成功体験を持っていても、そこへ至るまでの入口の重さと約55%の継続を考えると、もう一度同じ勝負をしたいとは限らないのである。

一方で、一発勝負を好む人には明確な支持がある。高い継続率で少しずつ増やすより、一度の成功で3000個、6000個単位を重ねる方が面白いという意見だ。右打ちの演出についても、赤系や先読みに過度に依存せず当たることや、違和感系の見せ方を評価する人がいる。

つまり、本機は右打ちが単純につまらないわけではない。むしろ右打ちの強烈さを評価する人は存在する。それでも総合評価が低いのは、その面白さを体験できる時間が遊技全体の中であまりにも短くなりやすいからだ。

BIGスタートなのに「回らない」という不満が致命傷になる

通常時の評価をさらに悪化させているのが、ホールでの回転状況に対する不満である。BIGスタート機に対して遊技者が期待するのは、重い当たりでも通常機より多く回せることである。ところが実際には「BIGスタートなのに思ったほど回らない」「これなら重い確率を追えない」という意見が出ている。

もちろん、実際の回転状況は店舗や台ごとに違うため、本機が必ず回らないと断定することはできない。しかしこの機種では、回らない環境の悪影響が通常機以上に大きい。

図柄揃い約1/399を追い、約51%の入口を取り、さらに約55%の右打ちを通して初めて強い獲得部分が見えてくる。その前提で通常時まで期待したほど進まなければ、「重いがたくさん回せる」というBIGスタートの納得材料が消えてしまう。

実際、「回るならまた打ちたい」とする肯定寄りの意見があることは重要である。遊技性そのものを完全に否定しているわけではなく、通常時の負担が下がれば再び触る余地があるということだ。逆に言えば、回転状況が悪ければ本機の設計思想そのものが成立しにくい。

導入前のホール関係者の評価でも、積極導入より見送りが多かった。BIGスタートと一撃性を評価する意見はあったものの、約1/399、約51%、約55%という段階を越えて大きな獲得へ向かう構造を厳しく見る判断が目立っていた。導入後の遊技者評価は、その警戒を覆す方向には進んでいない。

演出を減らしたこと自体より「待った先の失敗」が重い

通常時が静かな機種は珍しくない。先読みや告知を強くして、それ以外を弱くする設計を好む人も多い。本機だけが特別に演出不足だから低評価になった、と単純化するのも正確ではない。

本機で虚無感が強く語られる理由は、通常時の静けさ、初当たりの重さ、RUSH突入、低めの継続率が連続しているからである。

例えば、長く待った後に図柄が揃っても通常へ戻れば、また静かな通常時が始まる。RUSHへ入っても最初の75回転で当てられなければ、最大の売りである運命分岐や上乗せを十分に体験できない。待ち時間に対して成功体験が短すぎるケースが生まれやすい。

逆に最初の右打ちを突破して運命分岐から大量獲得へ入れば、評価は一気に変わる。数千個単位で数字が増える設計は分かりやすく、成功時の刺激は強い。だからこそ評価が極端になる。

だが導入4週目の段階では、「一度大きく出れば面白い」という評価より、「その一度まで再び付き合うのは厳しい」という意見の方が強い。最大性能ではなく再遊技したいかどうかで見れば、通常時の虚無感が大きな壁になっている。

原作や演出の魅力だけでは通常時を支えきれなかった

原作を好む人からは、キャラクターや楽曲を目的に打ったという意見もある。右打ちの演出や役物、上乗せ時の派手さを評価する意見も存在し、映像や題材そのものが全面的に嫌われているわけではない。

しかし原作への好意と遊技評価は分かれている。「作品は好きだが、この設計では何度も打てない」「右打ちは面白かったが通常時が耐えられない」という形で、題材を評価しながら機種には低い点を付ける意見が出ている。

これは評価定着期では重い。導入直後なら作品への興味や新台需要で一度は座ってもらえる。約4週間後に必要なのは、もう一度座る理由である。大量獲得の可能性だけでは、その理由を十分に作れていない。

現在残っている強みは明確だ。一撃性を最優先し、静かな通常時を苦にせず、約55%の短期勝負を楽しめる人には独自の魅力がある。しかし、その条件に合わない人には弱点がほぼそのまま見えてしまう。広く支持される機種というより、極端な設計を受け入れられる人だけに刺さる機種へ評価が固まりつつある。

本日の鑑定

クソ台確定|退屈を飼い慣らした者だけが、黄金の獣に口づけできるクソ台
評価点 29点

上乗せ成功時の破壊力と右打ちを評価する意見はあるが、通常時の虚無感、約1/399の重さ、約55%の短期勝負、BIGスタートへの期待に届かない回転状況への不満が複数方向から重なっている。導入4週目でも低評価が強く、成功体験を持つ人からも再遊技への慎重な意見が出ているため、29点でクソ台確定とする。