
完走型STの新しさより「引けない時間」が評価を決めた
平和の「L青春ブタ野郎 L1」は、導入から約4週間が経ち、初打ちの驚きよりも継続して触った人の評価が前面に出る時期へ入った。ここまでの意見を通して目立つのは、原作演出や完走型STそのものを褒める層が確かにいる一方で、短い勝負区間で必要な役を引けない苦痛、当てても獲得が伸びない落差、低い設定域での厳しさを訴える意見がそれ以上に強いことである。
導入前には、複数のボーナスを一度のSTでためられる仕組みや、ヒロインごとに獲得量が変わる設計が目新しさとして見られていた。実際、うまく噛み合った時の爽快感を高く評価する人は今もいる。しかし導入後に評価の中心へ移ったのは「成功した時の最大値」ではなく、「そこへ届くまでの失敗を何度受け止められるか」だった。
この機種は、強い瞬間をかなり強く作った代わりに、その瞬間が来ない時間の体感も強くしている。結果として、勝った人からも「面白いが安定しない」、負けた人からは「やれる気がしない」という評価が出やすい。評価が定着する時期に入った今、最大の論点はこの振れ幅である。
数字上は約60%でも、8Gの短さが体感を変える
メインST「青ブタJUDGE」は1セット8G+αで、2Gずつ4人のヒロインを巡る完走型である。平均期待度は約60%とされ、設定2ではハズレ0.5%、ベル14.1%、リプレイ33.0%、弱レア役47.4%、強レア役100%でボーナス抽選が行われる。ボーナスへ当選してもSTは最後まで続くため、一度のSTで複数のストックを取れることが最大の特徴だ。
数字だけ見れば、ベルやリプレイにも当選機会があり、弱レア役ならほぼ半分、強レア役なら確定級となる。ところが実戦の不満は「抽選されていない」ことより、「8Gの中で必要な役を必要な場面へ持ってこられない」ことへ集中している。リプレイ自体は約1/9.5、ベルは約1/5.6、チェリーは約1/66.9、スイカは約1/99.4、チャンス目は約1/199.2である。短い区間では、ベルやリプレイさえ偏れば何もできないまま終わることがある。
この短さは長所にもなる。早い段階で1個取れば、その後も残りゲームを使って2個目、3個目を狙える。「最初に取れた後の安心感が楽しい」「複数取れた時の達成感が大きい」「完走型だから引きが強い瞬間を無駄にしにくい」という肯定意見は、この設計を正面から評価している。
一方、取れない側から見ると8Gはあまりにも短い。「ベルかリプレイを一度引けるかどうか」「レア役を引いても外れれば一瞬で終わる」「何も引けないまま駆け抜ける」という体験が続くと、約60%という全体期待度より、目の前の数ゲームの失敗が記憶へ残る。完走型STの新しさが、成功時には強烈な長所、失敗時には逃げ場のない短所として働いているのである。
通常時からCZ、STまで「もう一段」が続く
通常時は思春期ポイント、かえでスタンプ、レア役などからCZや初当たりを目指す。思春期ポイントは最大1000ptで、100ptには約33%、200ptには約15%、700ptと900ptには約25%のCZ以上期待度が設定され、1000ptはCZ以上濃厚となる。CZ「エピソードチャンス」は設定2で約1/222.9、期待度62.5%。初当たり確率は設定2の1/350.8から設定6の1/207.8まで大きな差がある。
ここで不満を強めているのが、ひとつ突破すれば終わりではない構造だ。通常時にポイントを進め、CZへ入り、そこで当て、初当たり後にSTへ進み、STでもボーナスを取る。その先には上位への経路がある。各段階に見せ場はあるが、逆に言えば各段階で「次も通さなければならない」という感覚が残る。
実際の意見では、「CZまでは思ったより行く」という評価と、「CZそのものが難しい」という不満が同時に出ている。通常時のドリームコレクションやスタンプ、クエストによってポイントが進むため、完全な虚無ではないとする人もいる。100ptや300pt付近への期待を評価し、従来の周期型より触りやすいと見る意見もある。
しかし、その先のCZとSTを連続して突破できないと、途中の工夫が成果として残りにくい。「前兆から当落までに投資が進む」「CZを抜けてもSTで駆け抜ける」「当たっても少ない獲得で終わる」という不満が重なると、通常時の工夫まで評価されなくなる。設計上は複数の小さなチャンスを置いているのに、遊技者の記憶には最後の失敗だけが残りやすい構造になっている。
「自力感がある」と「何をしても無理」が真っ向から割れる
肯定側が最も評価しているのは、自分で役を引いた結果がその場で勝負へつながる感覚である。対応役だけでなく複数の小役に抽選があり、思春期症候群でリプレイやベル、レア役の性能が上がる。ST開始時の思春期症候群獲得率は設定2で20.4%とされ、うまく噛み合えば複数のボーナスを一気に取れる。
「ボーナスを連続で取れた時の勢いが良い」「上位へ入った時は一度の当たりが大きい」「完走型のおかげで早めに取った後も次を狙える」といった意見は、まさにこの機種の狙いと一致する。原作ファンからは演出や楽曲、ヒロインごとの見せ方を好む意見もあり、CZの入り方や上位突入演出を高く評価する人もいる。単純に全員が嫌っている機種ではない。
だが否定側では、その自力感が逆方向へ働く。「欲しい場面で小役が来ない」「リプレイを引いても当たらない」「弱レア役を引いて外すと納得しにくい」「STが終わった直後に役を引くと余計に腹が立つ」という意見が繰り返される。抽選値が公開されている部分については、外れた体験だけで不正な制御を事実とすることはできない。それでも、短い区間に抽選機会を圧縮した設計が疑念を生みやすいことは、意見の偏りから読み取れる。
ここで重要なのは、肯定側と否定側が別の機種を見ているわけではないことだ。同じ「短いST」「小役での抽選」「複数ストック」という特徴を、成功した側は濃密と感じ、失敗した側は理不尽と感じている。設計の特徴そのものが評価の分岐点になっている。
上位へ行けば解決、とはならなかった
上位STは継続率約80%、期待枚数約3100枚とされる。数字だけなら、苦しい通常区間やSTを越えた先に明確なご褒美があるように見える。ところが導入後の意見では、「上位へ入ったのにすぐ終わった」「大きく乗せても完走との兼ね合いで期待したほど残らなかった」といった不満も出ている。
もちろん、上位で4桁級の獲得を経験し、爆発力を評価する人もいる。白7やヒロインの組み合わせ次第で大きな獲得へ伸びるため、成功体験の強さは本物である。実戦映像を見た層からも、事故った時の派手さやボーナス連打の勢いを面白いとする意見が確認できる。
それでも評価全体が上向いていない理由は、上位の強さが下位の不満を帳消しにしていないからだ。上位へ入るまでに複数段階を越え、入った後も小役の引きに左右される。上位を「別物の安定区間」と期待した人ほど、短い勝負が続くことへ落差を感じやすい。
ホール側の導入前評価も、最初から全面的な強気ではなかった。少数設置を想定する評価が多く、版権の支持や9月機種の中での相対的な期待はあっても、大規模に主力化するほどの確信は弱かった。一方で、長期稼働を期待する評価もあり、導入前から「一定の支持はあるが、誰にでも勧められる機種ではない」という位置だった。導入後のプレイヤー評価は、その慎重さをむしろ強める方向へ進んでいる。
原作愛と遊技性は別々に評価されている
この機種で特徴的なのは、作品そのものへの好意が機種評価を完全には支えていない点である。原作が好きだから打ちたい、演出を見るために実機が欲しい、物語を思い出して感情が動く、といった強い支持はある。実際、演出面を褒める意見は否定的な評価の中にも混ざっている。
しかし、原作ファンであっても「STが難しすぎる」「通常時が苦しい」「獲得量が安定しない」と遊技部分を切り分けて低く評価する例がある。逆に原作を知らなくても、完走型STや複数ストックの仕組みを面白いと評価する人もいる。版権人気だけで評価を説明できる段階ではない。
これは評価の定着を見るうえで大きい。導入直後なら、好きな作品だから一度は触るという需要が稼働を支えられる。しかし数週間後に残るのは、もう一度座りたいと思える遊技体験である。現在の意見では「また打ちたい」という層が存在する一方、「一度で十分」「高い設定が期待できる時以外は触らない」という層も厚い。
そのため、今後見るべきなのは一撃の大記録より再遊技の強さである。成功した時の映像映えは十分にある。問題は、その成功までの失敗を含めてもう一度打ちたいと思わせられるかだ。短いSTを「ヒリつく」と受け取る人が残るのか、「何もできず終わる」と感じる人が離れるのかで寿命が決まる。
設定差の大きさも評価を難しくしている
初当たりは設定2で1/350.8、設定3で1/336.5、設定4で1/295.1、設定5で1/274.6、設定6で1/207.8。出玉率も設定2の98.1%から設定6の110.3%まで差がある。さらに一部のポイント到達時やCZ最終ゲームの抽選にも設定差が確認されている。
この差がある以上、低い設定域での体験と高い設定域での体験を同一視することはできない。実際、「高い設定では初当たりが軽く、ST中もやれた気がする」という意見がある一方、「高い設定を打っても苦しかった」「初当たりは軽いが大きく伸ばしにくい」とする意見もある。現時点で未解析の部分まで断定することはできないが、少なくとも設定6の初当たりが別格に軽いことは公表値から明確である。
これが一般のホールでの評価をさらに厳しくする。いつでも高い設定を期待できるわけではないため、低い設定域で「CZが遠い、STが短い、獲得が伸びない」という三つが重なると、次回の着席理由が弱くなる。高設定なら面白いという評価だけでは、機種全体の定着評価を押し上げにくい。
一方、短時間で勝負が決まりやすく、大きな獲得へ跳ねる余地があるため、荒い機種を好む層には明確な魅力が残る。万人向けではないが、刺さる人には刺さる。その狭さが、評価点を大きく割らせている。
本日の鑑定
クソ台確定|青春は一瞬、試練は八ゲームで永遠になるクソ台
評価点 36点
完走型STの発想、原作演出、複数ストック成功時の爽快感には明確な支持がある。しかし評価の多数派は、短いSTで必要な役を引けない苦痛、CZからSTまで続く突破要求、低い設定域での厳しさへ傾いている。導入から約4週間を経ても否定的な評価が弱まっておらず、成功時の強さだけでは日常的な遊びにくさを覆せていないため、36点でクソ台確定とする。
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