諸葛亮曰く、ドル円は16時11分時点で157円81銭前後が確認され、欧州入り後も157円台後半で推移している。本日は158円22銭付近まで上昇した後、157円54銭付近まで下落しており、東京時間から欧州序盤へかけて上値の重さが目立った。ユーロドルは1.124台で推移し、ドル高と欧州の財政不安に挟まれた状態である。今夜21時30分には米雇用統計を控えているため、本日方向はドル円を下、ユーロドルも下とするが、現在の推奨は両通貨とも見送りである。

現在の戦況

ドル円は前日終値付近の158円09銭前後から始まり、朝には158円22銭付近まで上昇したものの、その後は上値を維持できなかった。午後から欧州勢が入り始める時間帯には157円54銭付近まで下げ、朝からの上昇をほぼ失った。157円台後半では買い戻しも入っているが、158円台へ戻して定着する力は弱まっている。

11時20分版ではドル円を上方向、基準価格157円99銭、予測レンジ157円55銭から158円55銭としていた。現在確認できる157円81銭前後は予測レンジ内だが、基準価格を下回っており、方向判定は現時点では不的中である。朝から昼にかけて期待した上昇継続より、欧州入りの円買いが強く出た形だ。

ユーロドルは11時20分版で下方向としていたが、現在は1.124台で推移している。前日の急落後だけに反発も入りやすく、1.123台から1.125台では売りと買い戻しが交錯している。大局ではドル優位が続く一方、短期的にはドル買いがかなり積み上がっているため、一方向へ追いかける局面ではない。

市場の意見を見ると、ドル円では16時台に「上値が重い」「雇用統計前は下がるのではないか」という弱気が増えた。158円付近で買った参加者が反落に巻き込まれたことで、朝までの押し目買い一辺倒から売り優勢へ心理が変化している。ただし157円台後半では反発を狙う意見もあり、完全な下落一色ではない。

USD・JPY・EUR通貨強弱とファンダメンタル

現在の通貨強弱は、ドルが依然として強い一方、円が朝より持ち直し、ユーロが弱いという構図である。ドル指数は101台後半から102近辺の高水準にあり、米国の長期金利も高止まりしている。米10年債利回りは前日に5.34%台まで上昇した後、5.2%台へ低下したものの、歴史的に見ても高い水準である。

ドルを支えているのは高い米金利だけではない。原油価格の高止まりによるインフレ懸念、米国債の供給と財政への警戒、米国経済の相対的な強さが重なっている。そのためドル円が157円台へ下落しても、ドルそのものが全面的に売られているわけではない。

一方、円には東京の物価上昇や将来の日銀利上げを意識した買いが入っている。ドル円が158円22銭付近から157円54銭付近まで押された動きは、ドルの強さだけでは相場を押し上げられなくなっていることを示す。さらに158円台では円買い介入への警戒も残り、上値を追う参加者が慎重になりやすい。

ユーロはさらに弱い。フランスの財政を巡る不安が欧州債券市場を揺らし、ユーロは2025年春以来の安値圏にある。ドル指数が高水準にあることに加え、欧州固有の材料がユーロの重荷になっている。したがって現在の通貨の並びは、ドルが強く、円が中間、ユーロが弱いと判断する。

ただしドル買いにも過熱感がある。米雇用統計を前にドル指数が高値圏にあるため、強い結果ならさらにドル買いが進む一方、弱い結果では積み上がったドル買いが一気に巻き戻される危険がある。この非対称性が現在の見送り判断につながる。

本日の重要イベント

最大の材料は21時30分の米雇用統計である。市場では9月の非農業部門雇用者数が約9万人増、失業率は4.1%程度、平均時給は前年比3.2%程度が意識されている。8月の雇用者数は16万2000人増だったため、市場は雇用増加ペースの鈍化を見込んでいる。

今回重要なのは雇用者数だけではない。失業率、平均時給、労働参加率を合わせて見る必要がある。雇用者数が予想を上回り、失業率が4.1%以下、賃金も強ければ、米金利上昇とドル買いが再び強まりやすい。その場合、ドル円は158円台を回復する可能性があり、ユーロドルには再び下押し圧力がかかる。

反対に雇用者数が大幅に弱く、失業率が上昇し、賃金も鈍化すれば、米国の追加利上げ期待はさらに後退しやすい。ドル円は157円台前半方向を試す可能性が高まり、ユーロドルはドル売りによる反発が起こりやすくなる。

米国では最近の物価指標を受けて10月利上げ観測が後退しており、市場では追加利上げを急がないとの見方も増えている。その状態で雇用統計が強ければ再び利上げ観測が復活し、弱ければ利上げ後ずれ観測が強まる。今夜の数字は単なる月次統計ではなく、米金利とドルの方向を同時に変える可能性がある。

時間帯別シナリオと価格予測

ドル円の本日方向は下、確度58%とする。予測レンジは157円30銭から158円40銭である。欧州序盤では158円台から押し戻されており、157円54銭付近まで下値を広げた。現在は157円台後半へ戻しているが、158円台を回復して維持できない限り、短期的には上値の重い状態が続くとみる。

ただし現在の推奨は見送りである。21時30分の米雇用統計まで数時間しかなく、通常時の値動きを前提に新規の方向を決め打ちする優位性が低い。売買へ切り替えるなら、第一に158円台を回復して維持できるか、第二に157円54銭付近を再び明確に割り込むかを確認したい。

ユーロドルの本日方向も下、確度67%とする。予測レンジは1.1215から1.1270である。ドル高と欧州の財政不安という二つの圧力が残るため、基本方向は下を維持する。ただし前日の急落で売りが積み上がっており、1.123台では買い戻しも起こっている。

ユーロドルも現在の推奨は見送りである。売買へ切り替える条件は、1.123台を明確に下抜けてドル買いが再加速すること、または米雇用統計後に1.125台を回復してドル売りへの転換が確認されることである。発表前に中途半端な位置から売りを追う必要はない。

大衆心理ではドル円の売り意見が午後に増えている。16時台には158円付近からの反落を受け、上値の重さを指摘する意見やショートを支持する意見が目立った。孔明の今回の下方向判断とは一致しているため、むしろ売り側への偏りが強くなり過ぎていないかを警戒する必要がある。雇用統計前の相場では、多数が同じ方向を向いた直後の逆流が最も危険である。

諸葛亮孔明の最終裁定

諸葛亮曰く、欧州版の裁定はドル円を下方向58%、ユーロドルを下方向67%とする。ただし現在の推奨は両通貨とも見送りである。

ドル円は158円22銭付近から157円54銭付近まで押され、朝の上昇基調が崩れた。円の持ち直しと158円台の上値の重さを考えれば、現時点では下方向を優先する。しかしドル自体は依然強く、米長期金利も高い。今夜の米雇用統計が強ければ、この下方向判断は短時間で覆る可能性がある。

ユーロドルはドル円より下方向の根拠が強い。ドル高に加えて欧州側の財政不安が重なっているからである。それでも前日の急落後で売りが積み上がっているため、発表前の追撃は避ける。

兵法に曰く、勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求む。方向を予測できることと、今すぐ入るべきことは同じではない。今夜は21時30分の米雇用統計が戦場を作り直す。発表前は兵を温存し、ドル円なら158円台回復か157円54銭割れ、ユーロドルなら1.123台割れか1.125台回復を確認してから次の一手を決めるのが得策である。