諸葛亮曰く、執筆時点のドル円は157円31銭前後で推移している。前夜に156円台後半まで売られた後は切り返し、早朝には157円台を回復した。反応を見ると「下がったら買う」という見方が復活する一方、157円台へ戻したことで再び売りを試す意見も増えている。月末の急落とその後の全戻しに振り回された直後だけに、現在は買い一色でも売り一色でもなく、拮抗と判定する。

156円台の下落を消し、買い側が息を吹き返した

深夜から早朝にかけて目立ったのは、前夜の下落をかなり取り戻したことへの驚きである。156円70~90銭付近まで下げた場面では売りを考えた人も多かったが、その後に157円台まで戻したことで「昨日の東京の下げが無かったことになった」「結局は下がったら買いだった」という意見が出ている。

特に5時台には上方向を見る意見が強まった。月末の特殊な売りが終われば全戻しもあるという見方や、月初の買いを期待する意見、158円方向への回復を想定する意見が確認できる。下落局面で売りへ傾いたものの、戻りの速さを見て目線を修正したという意見もあり、前夜とは心理が明確に変わった。

買い側の根拠は単純な強気ではない。大きく下げても156円台で崩れ切らず、その後に157円を回復したという実際の値動きを重視している。「4時間で156円60銭付近が崩れていない」と下値の固さを見る意見もあり、156円台後半を割り込まない限り押し目買いを続けたいという心理につながっている。

一方で、上昇を追いかけることには慎重な意見もある。短時間で戻したことで、買い遅れた人が157円台から新たに飛び乗るより、再び押したところを待ちたいという空気がある。つまり買い派の中心は「どこでも買う」ではなく、「下げたら買う」である。

157円台へ戻ると今度は売りが増えた

ところが6時台後半になると、反応は再び売り方向へ傾き始める。「今日も下ヒゲになるならまずは売り」「売り」という意見が現れ、157円台へ戻したところを戻り売りの機会と見る人が出てきた。

背景には、前夜からの戻りが長く続いたことへの警戒がある。「7時間連続で上げた」と上昇の長さを意識する意見があり、ここからさらに一方向へ買い続けることへの警戒が強まっている。157円台を回復したことで、むしろ売りやすくなったと考える層が戻ってきた形である。

ただし売り派にも迷いがある。ここ数日は介入を警戒しながら戻り売りを繰り返して利益を得たものの、「介入が来ないなら担がれた時の救済が遠いので戻り売りを封印するか」と考え直す意見もある。売りを続ければよいという単純な相場ではなくなっている。

前夜には156円台まで急落したにもかかわらず、その後は157円台へ戻った。この往復を経験したことで、売り側にも「下げれば必ず続落するわけではない」という警戒が生まれた。買い側が下落を恐れ、売り側が反発を恐れるため、双方とも確信を持ちにくい状態である。

大衆の価格マップは156円60銭台と157円台が焦点

意見に出てくる価格では、下側の156円60銭前後が重要視されている。4時間単位でこの付近が崩れていないという見方があり、前夜の156円台後半からの反発も買い側の根拠になっている。156円70~90銭付近で売った人が、その後の上昇で苦しくなったという意見もあり、この一帯は売りと買いの心理が切り替わった場所になった。

上側では157円台への回復そのものが売りを誘っている。157円46銭付近で売りを考えていたという意見があり、157円台半ばは戻り売りを狙う層が意識する価格帯である。そのさらに上では158円への回復を期待する買い意見もあり、157円台半ばを突破できるかどうかで次の心理が変わりそうだ。

現在の価格マップを整理すると、買いたい側は156円60~90銭付近への押しを意識し、売りたい側は157円40~50銭付近への戻りを意識している。現在値の157円31銭前後はちょうどその中間に近く、どちらかへ強く傾きにくい位置である。

5時台は買い、6時台後半は売りへ心理が変化

心理の時系列を見ると変化はかなり鮮明である。4時台には157円46銭付近まで戻ったことを受け、月末の下落からどこまで戻すのかを見極める空気があった。5時台に入ると高値更新を意識する声が増え、156円台で売った側の苦しさを指摘する意見や、158円方向を期待する意見が出て、買い側が優勢になった。

6時過ぎにも「下がったら買いだった」という振り返りがあり、前夜の急落を追って売るより押し目を拾う方が良かったという認識が広がった。一方、同じ時間帯には「実質レンジで方向感がない」という意見もあり、戻したから上昇相場へ完全転換したとは受け止められていない。

6時30分を過ぎると空気は再び変わる。戻り売りを封印するか迷う意見が出る一方、「まずは売り」と朝の下落を狙う意見も現れた。長時間上昇した後だけに、一度押すのではないかという警戒である。

したがって早朝の心理は、前夜の売り優勢から買い戻しへ転換し、その買いが一巡したところで再び売りが出始めた流れである。一本の方向へ傾くより、156円台後半と157円台半ばの間を往復する相場として見ている人が増えている。

介入警戒は残るが、売る理由としての力は弱まった

介入への警戒は依然として強い。160円方向へ進めば大規模な介入が行われるのではないかという意見や、157円台でも当局のけん制を意識する意見がある。しかし、警戒が続いているのに実際の介入が確認されないことで、介入期待だけを理由に売り続けることへの疑問も強くなっている。

前日の急落についても、本当の介入ではなく大口の売買や利食いによるものではないかという意見がある。急落を見るたび介入と判断して売ると、その後の反発で踏み上げられる危険があるという経験則が意識されている。

そのため介入警戒は上値を追いにくくする材料ではあるものの、現在の意見では「介入が怖いから売り」という一本調子の判断にはなっていない。むしろ介入が来ないまま円安方向へ戻った場合の危険まで考え、売りポジションを軽くしようとする意見も出ている。

大衆の通信簿は前回の様子見が外れ

前回21時20分の記事では、157円09銭前後で「様子見優勢」と判定していた。今回の執筆時点は157円31銭前後で、前回から約22銭上にある。様子見判定の的中条件である上下10銭以内から外れたため、前回の大衆判断は不的中となる。

直近の記録は前回まで5回的中、10回判定だったため、今回を加えると5回的中、11回判定となる。現状では大衆の方向判断に強い優位性があるとは言いにくく、むしろ急落直後の悲観や急騰直後の楽観をそのまま追う危険が表れている。

前夜22時20分の孔明はドル円を下方向と判定していた。しかしその後は156円台から157円台へ大きく戻し、当時の無効化ラインだった157円25銭も上回った。現在の大衆は買いと売りが拮抗しており、少なくとも前夜の下方向一本より慎重な姿勢へ変わっている。

まとめ

ドル円は前夜の156円台への急落をかなり取り戻し、157円31銭前後まで戻している。早朝は「下がったら買い」という意見が強まったが、157円台へ戻した後は再び売りを試す意見も増え、現在は拮抗している。買い側は156円60~90銭付近の底堅さ、売り側は157円40~50銭付近の戻りを意識しており、その中間では方向を決めにくい。月初最初の東京時間でこのレンジをどちらへ抜けるかが、次の心理を決める焦点である。