諸葛亮曰く、ドル円は22時05分時点で156円82銭前後まで下落し、ユーロドルは1.1360台へ反発している。21時30分の米国指標はGDPが予想を上回った一方、コアPCE前年比が3.0%と予想3.3%を下回り、米金利の先高観を弱める材料となった。東京から欧州までは157円を挟む往復が続いたドル円だが、NY入り後は156円台後半へ押し戻され、ユーロドルは逆に上方向へ切り返した。本日の夜版では、ドル円を下方向、ユーロドルを上方向と裁定する。

現在の戦況

17時20分版ではドル円を下方向、基準157.05円、target1を156.75円としていた。その後の安値は156.639円まで下がり、方向は的中、target1も到達した。予測レンジ156.40~157.60円の中にも収まり、無効化ライン157.55円には届いていない。ユーロドルは前版で下方向、基準1.1333、target1を1.1320としていたが、22時05分時点では1.1360台へ上昇し、下方向は不的中となった。予測レンジ1.1295~1.1360の上限も一時上抜け、1.1370の無効化ラインには届いていないものの、前版の売り優勢判断は修正が必要である。

直近までの累積では方向判断は13回的中、22回判定となる。レンジ内は18回、target1到達は7回である。今回はドル円の下方向が機能した一方、ユーロドルは米指標後のドル売りを読み切れなかった。

時間帯別では東京市場がドル円を最も大きく動かした。東京は157.445円から156.364円まで108.1銭の値幅を作り、欧州では49.1銭、NY序盤では43.8銭の値幅となっている。ユーロドルは東京の17.5pipsから欧州21.8pips、NY序盤30.8pipsへと値幅が拡大し、米指標後にユーロ買い・ドル売りが強まった。

ドル円は直近5日平均127.6銭の値幅に対し、本日は108.1銭を消化しており、すでに約85%まで進んだ。ユーロドルも平均52.6pipsに対して51.4pipsとほぼ一日分の値幅を使っている。NY序盤から新規に値動きを追うには、両通貨とも日中より慎重さが必要な局面である。

時間足別テクニカル分析

ドル円は短期から4時間足まで価格が主要移動平均を下回り、特に4時間足ではADX14が34.1、-DIが+DIを大きく上回る。日足だけはMACDがまだプラス圏にあるが、現在値はEMA20、EMA75、EMA200をすべて下回っており、短期の戻りより下方向の圧力を優先する。

時間足基準価格EMA20EMA75EMA200位置・配列
5分足156.815156.899156.946157.0153本すべて下
15分足156.811156.933157.028157.2223本すべて下
1時間足156.811157.050157.333157.2223本すべて下
4時間足156.812157.340157.058157.4673本すべて下
日足156.811157.067158.428157.6983本すべて下
時間足RSI14MACD HistADX14+DI / -DIATR14BB幅判定
5分足43.3-0.0218635.410.3 / 20.40.1040.466下落優勢
15分足45.9-0.0304021.713.6 / 23.80.1320.374下方向
1時間足42.10.0154211.422.0 / 24.80.3060.919下方向だが勢い弱い
4時間足39.1-0.0672434.15.5 / 20.20.5371.196下落優勢
日足50.10.4252337.520.5 / 12.01.3236.662大局は中立

ユーロドルは時間足によって方向が分かれている。日足では主要移動平均を大きく下回り、RSI14も24.5と長期的な弱さが残る。しかし15分足と1時間足では価格がEMA20を上回り、RSI14も57.4、59.4まで回復した。4時間足でもMACDはプラスへ戻しており、長期下落の中で短期反発が強くなった形である。

時間足基準価格EMA20EMA75EMA200位置・配列
5分足1.136081.136111.135441.13477EMA20直下・EMA75と200上
15分足1.136061.135601.134751.135293本すべて上
1時間足1.136051.134731.136021.14042EMA20と75上・EMA200下
4時間足1.136041.136151.143451.150143本すべて下
日足1.136041.147441.152731.155303本すべて下
時間足RSI14MACD HistADX14+DI / -DIATR14BB幅判定
5分足49.70.0000522.114.0 / 21.90.000710.00307中立
15分足57.40.0000631.723.2 / 10.10.000770.00222上昇優勢
1時間足59.40.0003925.924.4 / 14.50.001130.00442上方向
4時間足46.80.0002841.318.9 / 18.70.002280.00906中立から反発
日足24.5-0.0021953.45.8 / 34.20.005150.03976長期下落・売られ過ぎ

ドル円ではM5とM15のMACDがマイナスで、4時間足も下方向へ揃っているため、156円台後半からの反発をそのまま追う根拠は弱い。ユーロドルは日足の弱さとは逆に短期指標が上向き、米指標後のドル売りと一致している。ただし両通貨とも当日の値幅をかなり消化しており、現在値から勢いだけで追うより押し戻りを待つ方が合理的である。

USD・JPY・EUR通貨強弱とファンダメンタル

米国では21時30分の指標が強弱混在となった。GDP前期比は2.2%と予想1.5%を上回り、個人消費も0.9%と予想0.3%を大きく上回った。一方、FRBが重視するコアPCE前年比は3.0%と予想3.3%を下回り、総合PCE前年比も3.4%と予想4.2%を下回った。成長は強いが物価圧力は想定より弱いという組み合わせになり、直前まで積み上がっていた米利上げ観測を弱める方向へ働いた。

米国債市場では指標後に長期金利が低下した。これまでドルを支えてきた高金利という最大の材料が後退したことで、ドル円は156円台へ下押しされ、ユーロドルは1.1360台へ反発した。9月全体では米国の成長力と金利上昇を背景にドルがユーロに対して大きく上昇してきたが、月末のNY市場ではそのポジションを巻き戻す動きが出ている。

円はドル金利低下の恩恵を受けやすく、さらに157円台では介入警戒も上値を抑える。ユーロは長期的には欧州の景気・物価・政治面への不安を抱えるものの、この夜に限ればドル側の金利材料の変化が優先されている。したがって現在の短期序列は円とユーロがドルに対して優位であり、ドル円下落とユーロドル上昇が同時に成立しやすい。

本日の重要イベント

21時のユーロ圏CPI前年比は3.3%と予想2.7%を上回り、前月比も0.6%と予想0.5%を上回った。これがECBの引き締め余地を意識させ、ユーロの下値を支えた。その後、21時15分の米ADP非農業部門雇用者数は9万人と予想4.1万人を上回ったが、21時30分のコアPCE鈍化がより強く意識され、ドル買いは定着しなかった。

この後は22時45分に米シカゴ景気指標、23時30分に米週間原油在庫が控える。シカゴ景気指標が大きく上振れれば、いったん後退した米金利が戻り、ドル円は157円方向、ユーロドルは1.1340台方向へ押し戻される可能性がある。逆に弱ければ、ドル円は156円台前半、ユーロドルは本日高値1.13794の再試験が焦点になる。

時間帯別シナリオと価格予測

ドル円は156.82円前後を基準に、上は約15銭先の156.97円付近が最初の戻りの壁となる。その上は157.05円前後の1時間足EMA20、さらに157.22円前後の1時間足EMA200が控える。下は156.64円前後のNY序盤安値、その先が本日安値156.364円である。本日の値幅を約85%消化しているため、156円台前半まで下げれば追撃売りより利食いを優先したい。

NY本番のドル円は下方向を基本とし、予測レンジを156.30~157.20円、target1を156.60円、target2を156.35円、無効化ラインを157.25円とする。現在の推奨は売りだが、156.80円近辺からの追撃ではなく156.95~157.10円への戻りを待つ。157.25円を明確に回復すれば、米金利低下を材料にした下落シナリオは解除する。

ユーロドルは1.1360台を基準に、上は本日高値1.13794、その先が週高値1.13902である。下は1.1353前後に15分足の主要移動平均が集まり、さらに1.1347前後が1時間足EMA20となる。すでに平均的な一日分の値幅をほぼ消化しているため、1.1380近辺を無条件に追うより、1.1350台への押しを待つ方がよい。

ユーロドルは上方向へ転換し、予測レンジを1.1340~1.1395、target1を1.1380、target2を1.1390、無効化ラインを1.1345とする。現在の推奨は買いである。ただし1.1360台から高値を追わず、1.1353~1.1357へ押して下げ止まる場面を候補とする。1.1345を割れば短期反発終了と判断し、日足の下落基調へ再び戻る可能性を優先する。

諸葛亮孔明の最終裁定

諸葛亮曰く、ドル円は下方向、予測確度72%とする。現在値156円82銭前後に対し、予測レンジ156.30~157.20円、target1は156.60円、target2は156.35円、無効化ラインは157.25円である。最大の根拠は、短期から4時間足まで主要移動平均の下にあること、米物価指標が予想を下回って米金利が低下したこと、157円台の戻りが定着しなかったことである。現在の推奨は戻り売りとする。

ユーロドルは上方向、予測確度66%とする。現在値1.1360台に対し、予測レンジ1.1340~1.1395、target1は1.1380、target2は1.1390、無効化ラインは1.1345である。日足では依然として下落基調だが、15分足と1時間足の勢いが上向き、ユーロ圏CPIの上振れと米物価鈍化が同じ方向を支えている。現在の推奨は押し目買いである。

大衆の意見は、指標直後まで157円を支えに買う見方が残った一方、その後は156円台への下落を見て売り目線が増えた。ただし「指標が強弱混在で方向が分からない」「上下どちらにも振られる」という様子見の意見も強い。孔明はこの混乱の中でも、米金利低下と短期テクニカルが一致したドル円の下方向を優先する。

兵は詭道なり、敵の勢いが尽きる前に追わず、戻りを待って陣を敷くべし。

本夜の主軸は、米物価鈍化を受けたドル買いの巻き戻しであり、ドル円は戻り売り、ユーロドルは押し目買いを優先するなり。