テスラの自動運転タクシー「Cybercab」を巡り、中国の公開SNSでは期待と警戒が短期間に入れ替わっている。9月4日には中国での初公開予定を材料にA株の智能運転関連株が上昇し、「L4実装が産業チェーンを押し上げる」とする投稿が相次いだ。一方、その後は米当局の安全基準確認とテスラ株急落が伝えられ、単純な好材料として見る空気は弱まった。

最初に強かったのは「中国でも関連産業が動く」という期待

複数の公開投稿では、Cybercabが米国で運用段階へ進み、9月中旬に北京や上海などで展示される予定だという点が材料視された。翠微股份、鋭明技術、通達電気など智能運転関連株の上昇を挙げ、「自動運転の商用化が一段進む」と読む声が目立つ。

ただし、中国での展示は販売開始や無人配車サービスの開始を意味しないとの説明も同時に共有されている。このため、実際の事業収益より先にテーマ株が動いているのではないかという慎重な見方も出た。製品そのものの技術的インパクトと、A株各社の業績への寄与は分けて考えるべきだという論点である。

翌日のテスラ急落で空気が変化

その後、米国でCybercabの安全基準や認証手続きが確認対象になったとの報道を受け、テスラ株が約6%下落したことも中国SNSで広く伝えられた。「未来の成長物語」として期待する投稿がある一方、「イベント直後の株価上昇だけを追うのは危険」「規制を通過して大量運用できるかが本番」といった警戒が強まった。

ここで重要なのは、中国側の反応が単純なテスラ礼賛ではないことだ。展示によって智能運転への関心が高まることは歓迎しつつも、規制、安全性、商用化時期、関連銘柄の実益という四つの問題を分けて見る反応が増えている。

Cybercabは中国市場で直接サービスを始める段階ではない。それでも、世界的な自動運転競争が「実験」から「量産・運用・規制」の段階へ移った象徴として見られている。短期の株価テーマとして追うのか、長期の産業変化として見るのかで、中国の反応ははっきり二つに割れている。