アップルは9月9日に秋の特別イベントを開く予定で、新CEOのジョン・ターナス氏は社内向けメモで「大きな発表になる」と予告した。iPhone 18 Proシリーズや折りたたみ型iPhone、Apple Watch、AirPodsなどが候補として挙がっているが、発表前の英語圏の反応は、単純な期待一色ではない。

「巨大」の意味を価格だと受け取る冷めた見方

目立つのは、「巨大な発表」という言葉をそのまま性能や革新性への期待として受け止めない反応だ。「巨大なのは値上げではないか」「大きな発売、大きな価格」といった皮肉が支持を集めており、新製品の高価格化を先に警戒する空気がある。

これは新製品に興味がないという話ではない。むしろ毎年のイベントを追っている人ほど、宣伝文句そのものには慣れている。過去にも「史上最高」「これまでで最も進化した」といった表現が繰り返されてきたため、今回も発表前の強い言葉だけでは評価しないという姿勢が見える。

一方で、価格への警戒が強いからといって、イベント自体への関心が低いわけでもない。新CEOの最初の大型イベントという意味では、従来路線を継承するのか、それとも製品構成や発表の見せ方に変化を出すのかを見る機会になる。反応は期待と懐疑が混在しているが、懐疑の方がやや前面に出ている。

AI連呼への警戒と「本当に新しいもの」への要求

別の論点として、AIの扱いへの警戒がある。「AIという言葉が何十回も出てくるのではないか」という反応は、AI機能そのものへの全面否定というより、発表内容が抽象的なAI説明に寄りすぎることへの疲れを示している。

利用者が求めているのは、AIという看板ではなく、端末上で何が具体的に便利になるのかという説明だ。カメラ、バッテリー、通信、処理性能、端末価格、既存機種との差など、購入判断に直結する部分を知りたいという姿勢が強い。AIを搭載することより、実際の体験がどこまで変わるかが評価軸になっている。

この点は価格警戒ともつながる。価格が上がるなら、それに見合う明確な価値が必要だということだ。単なる性能向上や宣伝上の新名称だけでは納得しにくくなっている。

それでも新製品候補への具体的な期待は残る

冷めた反応ばかりではない。Apple TVの新型を期待する声もあり、イベントで何が出るかを予想する楽しみは健在だ。折りたたみ型iPhoneについても、アップルがどのような形で既存の折りたたみ端末との差を出すのかは注目されている。

重要なのは、反応が「アップルだから無条件に期待する」という段階から、「価格と実用性を見て判断する」という段階へ移っていることだ。熱心な利用者ほど製品知識があり、過去モデルとの差も細かく見ている。そのため、新CEOの就任直後という話題性だけでは評価は決まらない。

今回の発表は、ターナス体制の第一印象を決める場にもなる。派手な言葉より、価格、実用性、製品ごとの差別化をどこまで具体的に示せるか。発表前の反応を見る限り、利用者側はかなり冷静にハードルを置いている。